産めよ、育てよ、働けよ---そんなの無理!
「仕事と育児の両立」という難問を、安倍昭恵夫人他女性リーダーたちが徹底議論!

安倍昭恵首相夫人

女性に対する世の中の常識や批判を超えて

専業主婦は幻の職業になりつつあると言われながらも、まだまだ働く女性に対する偏見なども残る日本。仕事をするうえで「女性だから」という見方とどう向き合っていけばいいのだろうか。

「私たちの時代は独身女性の年齢をクリスマスケーキに例えて、25歳までに結婚しないと“売れ残り”という空気が世の中にあって、私も腰掛OLとして働き、25歳の誕生日前日に結婚をして会社を辞めました」

安倍昭恵夫人は結婚当初を振り返る。女性が結婚したら家庭に入ることが当たり前の時代。昭恵夫人は“政治家の妻”になった。

「たまたま主人が国会議員になったわけですが、妻である私が政治を語ることは好まれないし、一歩後ろに下がってお辞儀をするような女性像が描かれます。もちろんやりがいもあったのですが、主人が総理大臣を辞めたときに一緒にどん底に落ちました。

そのとき、政治家の妻、安倍家の嫁という枠に自分をはめ込んできたけれど、私自身はいったいなんなのか?という気持ちが湧いてきたんです。一人の女性として、安倍昭恵として自分を出していけるようになりたい、と」

そこで昭恵夫人は「UZU」という名前の居酒屋をオープンさせた。

「週刊誌に叩かれたり、親しい人に理解してもらえなかったり、批判もたくさんありますが、その分いいこともあります。辞めろと言われるたびに、『絶対にやめない』と決意を固くしてきました。どれだけ批判されても、一人でも私の姿をみてやっていいんだと思ってくれる人がいればそれでいいのです」

そして、安倍首相と「1年経っても赤字だったら辞める」との約束のもと始めた居酒屋UZUは、今年の10月に3年目を迎えた。

UZUの名前は、日本神話で天照大御神が天岩戸に隠れ世の中が暗くなったときに、熱狂的な舞を披露して誘い出した神「天鈿女命(あめのうずめのみこと)」に由来する。昭恵夫人はその神に日本の女性を重ね合わせる。

「女性たちが自分らしく踊るように楽しくすることで、閉塞感を開くことができる。女性の力をうずまきのように広げていって、世の中に明るい光を灯したいんですね」

昭恵夫人は、居酒屋以外にも「UZUの学校」を開くなど、女性のエンパワーメントにも取り組んでいる。そして自身も“総理大臣の妻”という枠や世の中の常識を超えて、「安倍昭恵」としての人生を歩んでいる。

すばる交通副社長の田中敬子さん

すばる交通で副社長を務める田中敬子さんも、もともといた観光業界やまだまだ“男社会”だというタクシー業界で葛藤してきた。

「まさに25歳までに結婚しない売れ残りだと言われる時代に私は、仕事が楽しくて35歳になって初めて結婚を考えました。38歳で付き合い始め39歳で結婚、40歳で妊娠、41歳で母になりました。

『子育て以上に大切な仕事がこの世にあるの?』と周りに言われ、主人の扶養に切り替えるというときに、誰かに頼って生きることにショックを受けている自分がいて、細々とでも仕事を続ける選択肢をとりました。あのとき手放さなくてよかったと思っています」

田中さんはタクシー業界を“運用業”ではなく“サービス業”としてとらえ、女性が子育てをしながらでも続けられる環境を整えながら、女性の活躍推進に取り組む。

「思った通りにいかないことも多いけれど、あれもこれもという生き方をしている人たちはいます。『女性だから』に縛られることなく、仕事も家庭も、やりたいことはよくばりにやっていいと思います」