新国立競技場の「命運」はこの男の手に! ~菅官房長官も一目置く元官僚のお手並み拝見
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官邸に不可欠な、職人肌の官僚

白紙撤回騒動が、今も記憶に焼き付いている新国立競技場建設は、11月16日の技術提案締切日に向けて、大成建設JVと竹中工務店・清水建設・大林組JVの2グループが、急ピッチの作業を進めている。

騒動の責任を取って、下村博文・文部科学相と河野一郎・日本スポーツ振興センター(JSC)理事長が辞任、作業は馳浩・文科相と元Jリーグチェアマンの大東和美JSC理事長のコンビに委ねられた。

石川1区選出の馳氏は、森喜朗・東京五輪組織委員会会長の子飼いで、大東氏は日本代表入りした元ラガーマンである。

「引き続き森ラインで大丈夫か」という声はあるものの、元ロス五輪レスリング代表で元プロレスラーの馳氏は、政界入り後、徹底して文科族の道を歩んでおり、文科省行政のプロであると同時に、東京五輪についても、招致段階から実施段階まで本部長として絡んでおり実績は十分だ。

大臣就任後、新国立に関し、マスコミのインタビューで次のように述べた。

「(竣工を)オリンピックに間に合わせるのが小さい1つの目標で、大会を成功させるのが2つ目の目標。そして3つ目の大きな目標は、オリンピックが終わった後に、より多くの国民に日常的に活用してもらえる、神宮の杜と一体となってにぎわいを創出できる施設にすることだ」

ただ、具体的な指揮を執るのは馳氏ではなく、整備計画再検討推進室である。室長は、杉田和博・内閣官房副長官で、副室長は和泉洋人・首相補佐官と古谷一之・内閣官房副長官補。

杉田氏は警察庁出身で内閣情報官や内閣危機管理監を務めた「情報のプロ」で、古谷氏は財務官僚出身。従って、具体的に事務作業を統括、プロジェクト・マネージャーを務めるのは、国交省建設技官出身の和泉氏である。

実は、文科省にもJSCにも新国立のような大型工事を仕切れる人がなく、それが混乱の一要因だったが、それを国交省営繕部の技官集団に取り上げさせ、白紙撤回に持っていったのは和泉氏だった。

「職人肌の官僚として今の官邸には不可欠な人物。新国立も、馳氏を手のひらで転がすようにして、うまく進めるだろう」(官邸筋)と、黒衣の官僚として、高い評価を受けている和泉洋人とはどんな人物か。