共産党が呼びかける「野党共闘」に現実味はあるか?
〔PHOTO〕iStock

維新、民主の合同は成るのか

「安保法案廃案」で野党が団結して安倍政権を倒し、「国民合連合政府」を樹立しようという共産党のアイデア。これに対する民主や維新の本音は「来年夏の参院選での選挙協力は、喉から手が出るほど欲しいが、共産党といっしょに政権を作るまでのことは全く考えられない」というものだ。

これは、当然予想された反応だ。民主、維新の中には、こと安保法案に関しては内心は賛成という議員も少なくない。経済政策についても、共産とは根本的に考え方が違う。

一方、維新の松野代表は、民主党との大合同を呼び掛けている。両党が解党して、新党を結成するというのだ。年末までに100名規模で再編を実現したいという。

民主党には、この構想に冷ややかな向きも多い。とりわけ、松野氏自身、民主党政権時代に、民主党を飛び出して維新の橋下氏の下に走った「裏切り者」だ。そんな人間に解党して合流をと呼び掛けられてもすんなりと受け入れる気持ちにならないのはよくわかる。

また、維新の党は、橋下氏らの離党と大阪維新の党の分裂により、15人以上数が減り、民主に比べて規模がかなり小さくなってしまう。党の勢いも、分裂騒ぎで衰えているのははっきりしている。民主としては、そんなじり貧の党と一緒になって何の得があるのかという計算も働く。

しかも、安倍政権の強引な安保法強行採決に対する反対姿勢を示したことで、多少、民主の存在感が増したという自負もある。最近の世論調査でも、ほんの数%ではあるが、支持率が拡大したという結果も出ている。

解党などしないで、維新の議員を吸収してしまえばいいだけだという強気の声も出てくる。したがって、解党合流構想はそう簡単には受け入れられなさそうだ。

民主党にも「解党やむない」の声が

しかし、実は、水面下では、解党もやむなしという方向に傾いている幹部も多いという情報がある。それは、客観的に見て、「民主党」というブランドが、先の3年間の政権運営で地に堕ち、もはや少しくらいのことでは回復不能ではないかという危機感がかなり共有されていることを示している。

むしろ、維新の呼び掛けに乗って、悪いイメージのついた民主党の看板を捨てる口実にした方がよいというという判断を口にする幹部も多い。岡田代表はじめ、ほとんどの幹部が、少なくともその可能性について、かなり真剣に考えているという。民主党の大事な支持団体である連合も、ほぼそれを受け入れる方向のようだ。

つまり、大合同構想は、全くの夢物語ではなく、かなり現実性のある話になりつつあるということだ。

両党間の政策協議が始まっているが、おそらく、維新の党がかなり高めの球を投げて、民主に踏み絵を迫るという形になるだろう。

橋下氏がいなくなって、自民党にすり寄る必要がなくなり、思い切った改革路線を打ち出しやすくなった維新は、公務員改革などを含めて組合の影響力が強い民主党議員を弾き出すために強硬姿勢を打ち出すとみられるからだ。

安保法案については、完全撤廃で元に戻すのか、集団的自衛権の一部を認めるような部分修正にするのかについては、特に民主の中で争いがあるだろう。

共産党が主導権を握る⁉

共産党との連合政府はできなくても選挙協力だけはしたい両党は、おそらくは、安保法案をいったん完全撤廃するという共産党の主張を飲むのではないかと思われる。

その証拠に、民主党の最タカ派議員たちも最近は、かなり柔軟な主張を展開するようになっている。ただし、依然として、完全撤廃でまとまるかどうかは予断を許さない。

とりあえず撤廃だが、その先には周辺事態法などの改正から入って、集団的自衛権も議論していこうということを約束しておこうという動きも出てくると思われる。

この続きは、メルマガ、『古賀茂明「改革はするが戦争はしない」フォーラム4』Vol.015(2015年10月9日配信)に収録しています。

メルマガのお申込みはこちら

日本再生のために私たちがきること――メルマガ「改革はするが戦争はしない」フォーラム4」はこのキャンペーンを応援するとともに、メルマガでしか読めない情報を提供しています。

「フォーラム4」とは「改革はするが戦争はしない」という基本理念に賛同する市民や政治家が、この理念を日本の政治・行政・社会に反映する様々な活動を広げていくことを手伝うプラットフォームです。メルマガでは報道されてない政治・経済の動き、ニュースの背景説明や、古賀茂明さんが読者の質問に答えるコーナー、さらに「フォーラム4」での活動を報告していきます。ぜひ古賀茂明さんともにこの「フォーラム4」というキャンペーンを盛り上げていきましょう!