TPPをめぐる「3つのデマ」を斬る!
~「アメリカの言いなりになる」論の根拠を徹底検証

【PHOTO】gettyimages

「盲腸の手術に700万円かかるようになる」だって?

やっと環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意になった。そんな折に、ある人から「日本がTPPに参加すると、盲腸で700万円掛かるようになる」と聞いて、驚いた。どうも関西のテレビ番組のなかで、TPPについてそんなことを解説するジャーナリストがいたそうだ。

そのジャーナリストは、「東京の番組では、こんなことを話せばNGになる」ということを話したとか。もし本当なら大変なことだ。しかし、「盲腸で700万円掛かるようになる」とは、いったいどういうことか。なぜ、それが東京ではNGになるのか。

この疑問と真偽については後で答えることにして、まず、TPPで日本のメリットとデメリットはどうなるのだろう。

現段階で、TPPに関する情報は、内閣官房のサイト(http://www.cas.go.jp/jp/tpp/index.html)にしかない。そのうち、TPP協定の概要(http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou_koushin.pdf)というものが、基本資料である。

これを見る限り、貿易関税は例外5品目を除き、概ね自由化される。となると、TPPのメリットは自由貿易の恩恵、ということになる。自由貿易が恩恵をもたらすというのは、経済学の歴史200年間でもっとも確実な理論だ。

自由貿易でメリットを受けるのは輸出者、消費者で、今回の大筋合意に対しても、この両者には賛同意見が多い。一方で、デメリットになるのが輸入品と競合することになる国内生産者だ。

自由貿易の恩恵とは、メリットがデメリットを上回ることをいう。このロジックは、2010年11月15日の本コラム『TPPはなぜ日本にメリットがあるのか 誰も損をしない「貿易自由化の経済学」』に書いてある。下図はそのコラムで掲載したものだ。

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