【リレー読書日記・生島 淳】
日本ラグビー、大活躍の裏にこの本あり!
~エディー・ジョーンズHCが薦める「コーチングのたの必読書」

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常識を疑うことからスタート

エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ率いるラグビー日本代表が、W杯で南アフリカ、サモアに勝って2勝をあげ、歴史を変えた(10月7日現在)。

今年の冬から春にかけ、エディーさんに話を聞き、『エディー・ジョーンズとの対話』という本にまとめたが、エディーさんはたいへんな読書家だった。洋書を含めた「コーチングのための必読書15冊」を推薦してくれ、今回はその中でエディーさんの発想をたどれる本、4冊を読んでみた。

南アフリカは、W杯優勝2回を誇るラグビー界の巨人だ。エディーさんは「500万人の白人たちが、残りの4500万人を支配していた国です。そうした遺伝子がいまだにラグビーでも残っています」と語る。とにかく体格差を生かし、フィジカルで圧倒してくる。

そんな巨人をどうやって倒すのか。エディーさんはその糸口を見つけようと必死だったが、マルコム・グラッドウェルの著作には刺激を受けたようで、特に『逆転!』は「小よく大を制す」のエピソードの宝庫である。

スポーツだけでなく、アメリカ大統領は人生の早い段階で親と死別した人間の割合が多いだとか、有名企業のトップには識字障害者がかなりいることなどが紹介される。ハンディキャップが成功を生み出す原動力となるのだ。

受験生を持つ親として刺激的だったのは、成績優秀な高校生が名門大学に進学したゆえに埋没してしまった話だ。絶対的な正解はないものの、地元大学に進み、トップになっていた方が、就職する際の選択肢はずっと多かったに違いないとグラッドウェルは書く。

この本は、常識を疑うことからスタートし、チャンスをつかんだ人たちの物語だ。まさに、エディーさんの発想そのもの。日本代表の話が入っていてもおかしくない。