賢者の知恵
2015年10月16日(金) 週刊現代

本人登場!有名企業の危機を救った「伝説のヒラ社員」
~パナソニック、キリン、ロート製薬etc...

仕事は肩書でするものじゃない

週刊現代
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【PHOTO】gettyimages

モノは出尽くした。もはや画期的な新製品など生まれない。そう思い込んでいないだろうか。常識を疑い、ひたすら努力を続けることで、「伝説」が生まれる。変革のきっかけは、いつだって現場にある。

ダイソンには負けられない

有名企業であっても、業績は右肩上がりのまま続くわけではない。ちょっとしたことで、苦境は訪れる。そういったとき、会社の危機を救うのはいったい誰か。

方向性を決める経営トップや、現場を仕切る中間管理職の役割が大きいのはたしかだろう。だが、末端の社員が汗水流して働き、結果を残してこそ、企業は活性化し、新しい商品やサービスが生まれる。今回は会社の苦しい時期を救った「伝説のヒラ社員」を紹介しよう。

*

今年5月に発売され、CMを流していないにもかかわらず、夏を越した今も売り上げを伸ばしているパナソニック製の「扇風機」がある。スタイリッシュなデザインからは、一見、扇風機だと気づかない(写真右上)。商品名は『創風機Q』。

実勢価格は3万円弱と決して安くはないが、当初の月産計画を大きく上回り、その3倍のペースで出荷しているという。

開発したのは、パナソニックエコシステムズの小田一平さん。34歳の若きエンジニアだ。小田さんが語る。

「開発が始まったのは、'12年秋のことでした。社内から有志を募ったところ、私の他に20代から30代の7人のエンジニアが集まった。『何か斬新な製品を作ろう』と意見が一致し、その製品はすぐ扇風機に決まりました。当社は1913年に日本で初めて扇風機を量産した会社であり、そもそも扇風機作りのパイオニアですから」

この当時、パナソニックは経営危機に直面していた。'11年度、'12年度と2期続けて赤字を計上し、その額は合計1兆5000億円にも上った。人件費の安い中国や韓国の電機メーカーの台頭を許し、日本の物作りの優位性が揺らいでいた。

こうした状況に、若手エンジニアが立ち上がった。彼らが目指した新商品が扇風機だったことには、もう一つ理由がある。'09年に「羽根のない扇風機」を発表し、市場を席巻した家電メーカー・ダイソンの存在だ。

技術力では引けをとらないはずなのに、アイデアとデザインで外資系メーカーに負けるわけにはいかない。業績のみならず、「松下の誇り」を取り戻す戦いが始まる。

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