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さらば、アベノミクス!日本「デフレ」に逆戻り!
~株価、収入、物価が一斉に低下。またあの「悪夢」が繰り返される

「アベノミクス2.0」は、海外での評価が低い〔PHOTO〕gettyimages

アベノミクスが、なんとか信用されていたのは、わずかでも物価が上がっていたから。その「頼みの綱」の物価も、下がり始め、株価も一時、1万7000円割れ。もう、その効果を誰も信じられない。

何かがおかしい

1万6930円。

9月29日の日経平均株価の終値である。この日、日経平均はわずか一日で714円もの下げを記録。8ヵ月半ぶりに1万7000円を割り込み、市場には悲鳴が充満した。

その後、多少は持ち直しているものの、株価は乱高下が続き、極めて不安定な状態にある。

8月までは2万円台を堅調に推移していた日経平均が、わずか1ヵ月半ほどのあいだに3000円も下落する。株式市場は、明らかにこれまでの力強さを失っている。

市場関係者は皆、口には出さないものの、この2年間続いた株価の上昇基調に異変が生じているという空気を感じ取っている。

誰もが信じたくない現実。アベノミクスによる景気上昇は終わりをつげ、いまや「反転」し始めたのではないか—実はそれを示す「証拠」が、株価暴落の数日前、ある発表によって明らかになっていた。

それは「消費者物価指数」の数値だ。9月25日、総務省は、生鮮食品を除いた物価を表す消費者物価指数の8月の数値を発表した。この指数が、前年同月の数字を下回ったのである。

アベノミクスが始まった'13年の4月以来、この指数は、一度も下落することなく、前年同月比で上昇を続けてきた。「少なくとも物価は下がっていない」「緩やかながらも上昇を保っている」。この事実こそが、アベノミクスの成果を証明し、説得力を持たせていたといっていい。だが、ついに物価は下落。その「砦」が陥落した。

「そもそもアベノミクスは、金融緩和や財政政策によって緩やかな物価上昇を起こすことを目標に掲げてきた。『デフレ脱却』は、経済政策面での総理の最大の目標であり、政権の支持率を保つ上でのアキレス腱です」(官邸スタッフ)

安倍総理は焦りに焦った。同日、総理は急遽、黒田東彦日本銀行総裁を官邸に呼び出し、経済の状況について話した。6月以来の会談だった。

だが、世界からの視線は現実的で冷徹だ。「日本が景気回復し、インフレを起こす」というシナリオは、すっかり疑念を持たれてしまっている。

米ジョージ・メイソン大学教授のタイラー・コーエン氏は、英エコノミスト誌のアンケートで'11年、「過去10年間で最も影響力のある経済学者」の一人に選ばれた人物。そのコーエン氏は、9月26日、物価の下落について、ブログで、

〈日本の国民は'13年以降、アベノミクスが効果を持つと考え、実際、物価は上がった。だが、いまや彼らはそれを信じなくなり、物価が再び滑り落ちていると見ている〉

という厳しい見方を示した。

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