金融・投資・マーケット
日銀の追加緩和は手段に注目!
「付利撤廃」と「マイナス金利政策」をどう考えるか?

〔PHOTO〕gettyimages

追加緩和策として「付利の撤廃」はアリかナシか

8月鉱工業生産指数や9月短観など、このところ、景気低迷を示唆する経済指標の発表が相次いでいる。また、8月消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合(コア)で前年比-0.1%と、2013年4月以来のマイナスとなった。

さらには、中国経済を中心として世界景気全体にも減速感が漂い始めていることから、日本の景気回復も頓挫する懸念が出てきた。そのため、日銀による追加金融緩和への期待が高まっている。

市場は、昨日(10月7日)、日銀が追加緩和策を発表するのではないかと期待していたが、その期待は裏切られた。現在のような経済状況が続く限り、当面は、金融政策決定会合が近づくたびに追加緩和の期待が高まるという展開が想定されるが、次の追加緩和については、その時期だけでなく、手段にも注目が集まっている。

具体的にいえば、次の追加緩和では、これまでの中長期国債の買い切りオペを中心としたマネタリーベース残高の拡大ではなく、日銀当座預金に対する「付利の撤廃」を行うのではないかという思惑が台頭しているのだ。

「付利撤廃」の期待が高い背景には、ここまで日銀が大量のマネタリーベースを供給したにもかかわらず、明確な景気回復が見られないこともある(筆者は、昨年4月の消費増税の影響が大きいと考えるが、市場関係者の間で、消費増税の影響が指摘されることはないようだ)。

しかし、最も大きな理由は、国債買いオペ(日銀が新規発行額の約9割を購入する計算)によって、日本の国債市場の機能が著しく低下しているという認識が強いことだ。

そして、追加緩和によって、日銀が国債購入額をこれ以上増やせば、現在かろうじて機能している超長期国債の市場までもが機能停止に陥り、日本国債の市場が「死んでしまう」かもしれない、と債券市場関係者の危機感が強いためである。

だが、結論を先にいえば、現状の追加緩和の手段として、「付利撤廃」の効果は極めて小さく、付利を撤廃したところで追加の緩和効果はほとんどないと思われる。従って、「付利撤廃」は中長期国債の買いオペ増額の代替手段にはなりえず、仮に「付利撤廃」が実現したとしても、中長期国債の買いオペ増額も同時に実施される可能性が高いと考える。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら