ありがとう日本代表!勝利の原動力・五郎丸歩の「成長」と「これから」を語ろう!

「ラグビー男たちの肖像」特別版
親しい関係者には、「最後のW杯」の覚悟を伝えている〔PHOTO〕gettyimages

過去7大会でわずか1勝の日本代表は、優勝候補の南アフリカから大金星を奪い、続くスコットランド戦では完敗した。試練をバネに成長してきた五郎丸歩は、ふたたび奇跡の体現者となれるか(藤島 大/スポーツライター)。

スポーツ史上最大の番狂わせ

ロンドンのヴィクトリア駅で新聞を買う。スポーツ面を開く。

「surreal」という単語が登場する。

辞書を引いた。「シュール。超現実」。なるほどそうだ。

当地イングランドで開かれているラグビーのワールドカップ(W杯)でなんと日本代表が南アフリカを破った。

34対32。

世界は驚愕した。大会史上はもちろん、ラグビー史上、もしかしたらスポーツ史上で「最大のアップセット(番狂わせ)」と評価された。

ラグビー愛好者でなければピンとこないかもしれない。これがどのくらいの快挙なのかを。

五輪の柔道でネパールが日本に勝つ。うまいたとえではないし正確でもない。でも少なくとも南アフリカの善良なる市民の感覚ではそれに近い。

野球でも卓球でも相撲でもなく我々のスポーツであるラグビー、オランダ系白人にとって「もうひとつの宗教」でもあるラグビーで日本に負けた。それはもはやシュールな出来事なのだった。