安倍政権を倒すために野党がこれからやるべきこと
『週刊現代』官々愕々より

安保法を政略に使うな

上から:民主党のwebサイト、維新の党のwebサイトより

9月19日未明、安保法が成立した。安倍総理は、最初からまじめに説明することを放棄。足を投げ出し、野次を飛ばし、野党や国民の声を無視した。

違憲法案であるのに加え、その不真面目さと傲慢さに国民の不満と不安は頂点に達したが、それでも法が成立したのは何故か。

最大の戦犯は、民主党と維新の党だ。衆議院ではほとんど無抵抗だったのに、参議院の終盤になって急に戦う姿勢を見せた両党。それは、国会前のSEALDsなどのデモが予想外の拡大を見せたからだ。

しかし、それも所詮は、来年の参議院選挙目当てのパフォーマンス。当初から、18日を超えて連休に入れば、面子が立つという程度のものでしかなかった。元々、集団的自衛権を認めたいという勢力が強い民主党や維新の党は、党内事情でそこまで戦う態勢になっていなかったのだ。

この選挙目当ての野党の動きはこれからも続きそうだ。19日には、共産党が、突然、「戦争法廃止の国民連合政府」構想を他の野党に提案した。これも、共産党はいつも自己の勢力拡大しか考えていないとSEALDsに批判されるのではないかと怖れてのことだろう。

しかし、反戦争法一点主義の野党協力が国民のニーズに応えているとは思えない。

内閣支持率が依然として40%程度ある理由は何か。安保以外のテーマで安倍政権を支持する理由があるからなのか、あるいは、他に政権を委ねられる野党が存在しないからなのか。そのどちらかである。

他のテーマとして考えられるのがアベノミクスだ。自民支持層はまだ期待をつないでいるが、そこには明らかに翳りが見える。

一方、野党の支持率が異常に低いことを見れば、やはり自民以外に魅力的な政党がないという有権者の冷徹な判断が安倍政権を支えていると見るべきだ。

これに対して、既存野党が集まり、経済政策はそっちのけで「反戦争法」だけを旗印にした政権を作っても答えにはならない。むやみに選挙協力しても、例えば、自民対共産という選択肢しかない選挙区では、多くの有権者が棄権する可能性がある。

そもそも自民党の支持率は30%台で、無党派層はそれと並ぶかそれを超えている。この無党派層が動けば、野党候補が3人いても十分に自民党に勝つ可能性はある。

特に、資本主義を前提に競争を否定せず、グローバリゼーションに前向きに対応し、既得権と闘いながら庶民のための改革を行う政党であって、なおかつ、集団的自衛権と全ての原発の再稼動に反対という政党がない。そうした政党ができれば、無党派層のかなりの部分が動き出す可能性がある。

既存野党の連合政権ができても、本音では原発を動かしたいと考え、消費税増税に賛成の民主党と反対の共産党が一緒に政権運営を行うなど不可能だ。日米安保条約の運用をめぐってもすぐにバラバラになるだろう。

安保政策を含め、日本経済と社会保障制度の立て直し、少子高齢化の克服といった問題は、15年から20年かけて取り組む課題だ。そのためには、長期的視点で政策軸を明確にした野党再編を行うことが求められている。来年の参議院選目当ての野合だけは止めてもらいたい。

『週刊現代』2015年10月10日号より

 * *  *

古賀茂明「改革はするが戦争はしない」フォーラム4
・月額:400円(税抜価格)
・毎月第1・第2・第4金曜日配信

「日本の再生を考え」「日本再生のための国民的キャンペーンにつなげていく」ことを目的に、個人的な情報発信の手段ではなく、日本再生を真剣に考える方々 との交流のための手段、党派を超えた日本再生キャンペーンの活動の拠点を作る試みとして、志を共にする読者とつながることを目的としたメルマガです。

お申込みはこちら