雑誌 ドクターZ
「携帯値下げ」安倍発言の本当の狙い
なぜこのタイミングだったのか?

「携帯値下げ」安倍発言本当の狙い

〔PHOTO〕gettyimages

なぜこのタイミングで値下げを指示?

安倍晋三首相が経済財政諮問会議で、携帯電話料金の値下げを検討するように指示し、波紋を広げている。

携帯大手3社の株価は、この発言で急落。発言は9月11日で、1週間後の18日との株価を比較すると、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社それぞれで9・9%減、9%減、3・7%減と、同じ期間の日経平均の1・1%減を上回る下落率となった。

突如出てきた話だが、なぜこのタイミングなのだろうか。

総務省の家計調査によると、携帯電話の昨年の利用料金は1世帯あたり(単身も含む)月額平均で約7200円。これは、2002年の1・7倍で、当時のデフレ状況を考えても年4~5%の上昇である。携帯料金の家計負担は大きくなっていることがわかる。

背景にあるのは、大手3社の協調的な寡占体制。もっとも、最近では競争環境が徐々に整備されていて、格安スマホも出てきている。大手3社から通信回線を借りるMVNO(仮想移動体通信事業者)に多くの新規参入が見られ、大手3社にはない格安のサービスも提供している。

さらに、2年契約縛りがなくなったり、携帯ナンバーポータビリティ(他社に乗り換えても同じ番号を使用できる)などもあり、従来より携帯会社の移行はやりやすくなっている。それでも、大手3社の協調的な寡占体制によって、携帯電話料金はなかなか下がりにくいのが実態である。

次に発言のタイミングを考えると、これは絶妙だった。ちょうど米アップルの最新スマートフォンiPhone6sの発売前だったので、アップルの人気をうまく活用できたからである。

iPhoneは最新作が出るたびに価格が上がっており、iPhone6sも前のモデルより高くなった。そのタイミングでの携帯電話料金の値下げ話は絶妙で、世間の関心を引いたのは間違いない。

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