医学部新設に断固反対する、日本の医学界の呆れた体質!

開業医の高収入を維持することが一番大事?
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アベノミクスつぶしか?

40年近く凍結されていた大学医学部の新設が2016年度、17年度と相次いで認可されることになった。前者は震災復興支援策の一環として東北薬科大(仙台市)に、後者は国際医療福祉大(栃木県)が国家戦略特区を活用して千葉県成田市に設置する。

安倍晋三首相は、9月24日、自民党総裁再選が正式決定したのを受けて記者会見を行った。「アベノミクスは第2ステージに移る」と宣言し、経済成長の推進力として新たな「3本の矢」を発表したものの、多くの識者は「旧3本の矢も実現していないのに」と、失笑した。

「旧」とは、金融政策、財政政策、成長戦略の三つ。このうち既得権益層の反対と安保法案を優先した安倍首相自身の判断によって、見るべき成果がほとんどなかったのが成長戦略である。

そのなかで、唯一といっていい岩盤規制を崩した実例が、79年の琉球大以来の医学部設置だった。

大学設置・学校法人審議会の佐藤東洋士・大学設置分科会会長は、8月27日に提出した東北薬科大の医学部新設に関する報告書に、次のような期待を込めた。

「今回新設される医学部は、東日本震災からの復興と東北地方における医師の定着という重要な社会的要請の下に設置される。社会からの大きな期待に十分応えるためには、大学独自の取り組みだけでなく、地域の行政機関や医療機関などとの連携を深めることが不可欠である」

16年4月の開設が今回認められたのは、震災以降に医師が県外に流出し、震災復興を加速する上で足かせになっているためだ。東北6県の人口10万人当たりの医師数は、いずれも全国平均の227人を下回る。

東北薬科大によると、募集定員は100人。最大の特徴は卒業生の地域定着を促す潤沢な修学資金制度だ。

100人のうち55人については、卒業後に東北6県内の医療機関で10~12年間勤務すれば、返済が免除される修学資金枠を設定。学費は6年間で1人あたり3400万円程度かかるが、各県が拠出する奨学金で最高3000万円ほど賄われ、なおかつ受け皿の医療機関が奨学金を返済する。

そのため、学生側の負担は実質、国立大並の400万円ほどと安上がり。「自治体がこれほど潤沢な修学資金枠を設定するケースはほかにはない」と文科省幹部も驚くが、それだけ医師不足が深刻化している証でもある。

この制度設計に、強く反発しているのが地元医師会である。