マイナンバー導入で、結局国民はいくら「得」をするのか? マスコミがまったく触れない「効果を示す数字」を指摘しよう
なんだか姑息さを感じてしまう…?(政府広報ページより)

「役に立つ気がしない」

来月1日にマイナンバー(個人番号)が国民一人ひとりに通知される。この制度に関する詳しいことは、内閣官房HP「マイナンバー社会保障・税番号制度」を適宜参照されたい。

今もって批判が多いが、導入はすでに決まっているので、今さらジタバタしても仕方がない。上記の内閣官房HPを見ると、マイナンバーの必要性、利便性、効果など良いことばかりが書かれている。制度の理解を喧伝する資料たちであるため、メリットを強調するのは当たり前のこと。

しかし、この制度は歓迎されていない。批判の中身としては、「情報漏洩に対する危惧」が盛んに叫ばれている。だが、それ以外の主因としては、この制度を導入することに係る「コスト面での効果」に対する疑問であろう。

政府が昨年6月3日の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(第64回)において、マイナンバー制度の効果として呈示した資料は次のようなものだ(クリックすると拡大)。

このうち、最も金額が大きいのが、②の「税・社会保険料の徴収及び給付の適正化」の中の「仮に国・地方の税務職員等が業務効率化分を調査・徴収事務に充てることによる増収効果」で、税増収2400億円とされている。

これについて、今年5月15日の衆議院内閣委員会では、政府参考人が次の通り答弁した。

―――「この試算に当たりましては、まず、当面の効果といたしまして、税務関係事務の効率化として掲げている1980人分の事務について、職員の業務変更を前提に、仮に、調査、徴収事務に充てることとした場合の効率化分に、職員1人当たり見込まれる年間滞納整理済み額1.23億円を乗じたものでございます。

この1.23億円は、平成23年度の都道府県税の滞納整理済み額である9512億円を、その徴収事務にかかわる職員数の7716人で除した額として計算したものでございます」―――

これはこれで一つの試算ではある。だが、これは「税増収効果」であって、「経済効果」とは言えない。2400億円の税増収が庶民に還元されるとは読み取れない。

さらに言うならば、こうした費用対効果は十分に喧伝されてもいない。それは政府の責任もあるが、マスコミの責任が最も大きい。

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