二宮寿朗「安永聡太郎がスペインで監督を目指す意味」

 日本人選手の海外挑戦は増えていく一方でも、日本人指導者の海外挑戦はなかなか増えていかない。

 元日本代表MF藤田俊哉がオランダ2部のVVVフェンロでコーチを務めている以外、欧州でトップチームの指導者となっている元Jリーガーは他に見当たらない。普通に考えればサッカー先進国が世界的に指導実績のない日本から指導者をわざわざ招くとは考えにくい。そんな現状を打ち破るべく、1人の若き指導者がスペインに渡ろうとしている。

 横浜F・マリノス、清水エスパルス、柏レイソルに所属したストライカーで2005年に引退した39歳の安永聡太郎である。

 97年、スペイン2部のレリダに移籍して日本人で初めてリーガ・エスパニョーラでプレーしたことでも知られる(02年には2部ラシン・デ・フェロールに在籍)彼は、スペイン3部CDギフェロのコーチに就任することが内定している。

 安永はチームに招かれたわけではない。直接、スペインに乗り込んでの“売り込み”で何とか実現にこぎつけたのだ。
 29歳で引退して以降、日本サッカー協会(JFA)「こころのプロジェクト」の名物先生として、また、WOWOWのサッカー解説者として名を知られてきた。
長年「スペインに戻って監督をやりたい」という夢を抱いてきた。昨年12月にJFA公認指導者S級ライセンスを取得したことで今夏、仕事にひと区切りつけてスペインに出向いた。