要注意! 住居の浸水リスクは「自己責任」! 公開情報からリスクを調べる方法
【物件選びの知恵023】
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浸水リスクは自分で調べること!

先日起きた鬼怒川の氾濫では、多数の住宅が流され、また、床上浸水の被害が発生した。火災保険の契約内容や建物の破損状況によって補償が受けられるケースもあるが、保険内容が不足していれば多額の支出を伴ううえ、お金だけでなく元の生活に戻るには大変な手間と時間がかかる。被災者にとっては辛い話だ。

しかし、「あれは大きな河川の近くだったから」と他人事として考えてはいけない。あそこまで甚大な被害を引き起こすかどうかは別としても、河川から離れた住宅街で床上浸水の被害は起きることがある。いわゆる「低地」と呼ばれる場所だ。

注意したいのが、低地とは、大きな河川沿いや、たとえば東京都江戸川区や江東区の沿岸部といった海抜が低い地域だけではなく、街全体は高台に位置していても、その地域内で周辺より低い場所(窪地)も含まれるということだ。

その地域を歩いてみて明らかに坂に囲まれた窪地であるというならわかりやすいが、なだらかな傾斜地などに面する場所では、そこが果たしてその地域における低地なのかどうかが日常では判別しにくいこともある。また、マンションなどで、敷地全体が工事で形状変更されている場合なども、大豪雨時にどのように水が入り込んでくるのかイメージしづらい。

最近ではゲリラ豪雨も珍しいものではなくなり、行政による治水対策だけでは雨水による被害を防げないケースは増えるのかもしれない。「万が一でも浸水被害は避けたい」と思う場合は、見た目や歩いた感触など体感で判断するのではなく、しっかり土地の性情を調べておいたほうが安全だろう。

過去に、購入した土地が頻繁に冠水することを知った個人買主が、瑕疵(欠点)がある土地について土地の販売を仲介した業者の調査や説明が足りていなかったとし、債務不履行を主張して仲介業者を訴えた例がある。

この事案で裁判所は、地域のハザードマップを調べるなどの行為は「信義則上の義務」とはしたものの、法令に基づいた義務ではなく、業者はその土地の浸水リスクを知り得なかったとした。

また、その土地限定ではなく付近一帯が冠水していることから、場所や環境による土地の性状は価格評価に織り込まれている可能性があり、この土地に瑕疵があるとはいえないと買主の訴えを退けた。

そのほかの冠水・浸水被害に関する判例では、売主や仲介業者の調査や説明の不備を指摘し、賠償命令や和解金支払いの勧告を行った例もあり、トラブルの条件次第で結果は様々となるわけだが、前述のように訴えても勝訴できない事案があるのも事実だ。

不動産取引に関する法律「宅地建物取引業法」で不動産業者に義務付けられた重要事項説明には、いくつかの調査・説明義務項目があるが、浸水実績や起きうるリスクはその指定項目に入っていない。つまり、自分が購入する地域、土地に関する浸水リスクは自身でも調べておいたほうが安全と考えておく必要がある。