【沿線革命061】鬼怒川の堤防決壊を繰り返さないための上流ダムの操作方法は?

阿部 等

当日のダム貯水量の変化は?

鬼怒川の上流には、下図のように川俣・川治・湯西川・五十里(いかり)の4ダムがある。

鬼怒川上流の4ダム(鬼怒川洪水 沖研究室その他調査第2報、2015年9月18日、特記以外は以下同様)

国交省 水文水質データベースにより、全国のダムの貯水量・放流量その他のデータが公開されている。直近1週間は10分刻み、それ以前は1時間刻みである。

下表に、9月9日0時~10日18時の4ダムの貯水量の変化を6時間おきに示す。

4ダムの貯水量の変化(水文水質データベースに基づき独自に作成)

4ダム合計の貯水率は、10日7時40分頃の常総市若宮戸での堤防越水前の6時に81%、12時50分頃の三坂町での堤防決壊前の12時に85%だった。それぞれ、約5,000万㎥と4,000万㎥の残容量があった。

下図のように6時はダム付近の豪雨のピークが過ぎた後、12時は雨が小降りとなった時点だった。

10日の6時は豪雨のピーク過ぎ、12時は小降りとなっていた

豪雨が終わった後に堤防決壊が起きた時点で、ダムの貯水容量はだいぶ残っていたということである。

当日のダムの流入と放流はどうだったか?

下表に、9月9日0時~10日18時の4ダムの流入量・放流量・貯水量変化を6時間ずつに合算して示す。計算根拠をExcelシート(http://www.LRT.co.jp/ensen/061keisan.xls)で公開する。

4ダムの流入量・放流量・貯水量変化(水文水質データベースに基づき独自に作成)

合計で約1.8億㎥の流入の内、約8、000万㎥を放流し、約1億㎥を貯水した。その時点での残容量は約3,500万㎥である。