住みたい街2015
2015年09月24日(木) 阿部等

【沿線革命061】鬼怒川の堤防決壊を繰り返さないための上流ダムの操作方法は?

upperline
12:50の堤防決壊時、残り容量があった。豪雨の事前に放流していなかった。
※YAHOO!ニュースその他では貼付け図の一部が表示されません。現代ビジネスのサイトでは全ての貼付け図を見られます。また、一部の図はクリックすれば拡大版を見られます。

水害大国日本において、ダムは重要な役割を果たしている。その操作の考え方を改めれば、水害の防止にもっと貢献できるのではないか。

鬼怒川の堤防決壊は、上流ダムを適正に管理していれば起きなかった!?

【沿線革命060】は「大雨と鉄道」をテーマに、関東鉄道常総線や東武宇都宮線の大きな被害、関東鉄道が水海道車両基地が浸水する前に留置車両を他の駅へ避難させていたことなどを書くつもりだった。

調べを進める中、20年近く前の鉄道水害事故の経験とつながり、上流ダムの貯水・放流のグラフを見て以下のことが分かった。
・鬼怒川の堤防決壊時、上流ダムは貯水容量を残していた
・豪雨が予測された事前に積極的な放流をしていなかった

豪雨の間、ダムの貯水を増やし、放流を減らしていれば、堤防決壊は起きなかったように思えた。さらに、豪雨の事前に積極的に放流していれば、貯水容量をより増やせていた。

常総市で1万戸以上が浸水し死者も発生した水害を、ダムの操作方法を改めることで防げるなら、門外漢であっても気付いた時点で問題提起すべきと考え、急きょ書くこととした。

より良き未来に向けた問題提起

記事に対し、「専門家でもないのに余計な口出しをするな」といった応答は多数あったものの、根本的な誤りの指摘は1件もなかった。むしろ、専門家の方も含め、「問題提起の方向性は正しい。さらなる精査を期待する」とのエールを何件も受けた。

国土技術政策総合研究所資料『超過洪水等に対する合理的な洪水調節手法に関する研究』(2012年2月)の3ページに、現行のダムの操作方法に関して以下の記述がある。
・洪水の襲来を控えて、将来の流入量が予測できないことを大前提
・大きな洪水が襲来した場合(中略)操作方法について改善の余地がある
・超過洪水の発生に対する事前放流(中略)十分には実施されていない

上記資料に限らず同様の解説が多々あり、【060】で指摘したことは、実は関係者の間で従前から課題となっていたのだ。

【060】に対して、「ならば人災では」との指摘も多かった。しかし、当日の操作者が予め定められたダム操作規則に反して操作したとの情報はない。過去、堤防決壊による被災者が訴訟を起こした事例も多いが、規則通りに操作した限り問題視されることはないようだ。

この記事では、決してダム操作者を悪者扱いしたりしない。地球温暖化に伴う豪雨の過激化が進む中、防災強度の向上は重要な課題だが、ダムの増設や堤防の強化は多額の経費と期間を要する。より良き未来に向け、ダム操作方法の適正化に関して問題提起する。

1
nextpage



underline
アクセスランキング
昨日のランキング
直近1時間のランキング
編集部お薦め記事
最新記事