賢者の知恵
2015年09月23日(水) 鈴木哲夫

安倍政権の危機はこれからやってくる!?
国会の"内”と”外”で静かに進む「倒閣運動」

ある憲法学者が明かした参院選へのプラン

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【PHOTO】gettyimages

「何かないかなあ…」と総理はボヤいた

安保関連法案の参議院での強行採決が行われた9月第3週に入った頃のことだ。側近の一人が安倍首相とこんな言葉を交わしたという。側近本人が明かす。

「安保法制成立後の政権運営について、私が『再び経済を全面に出して行くべきではないか』ということを申し上げました。すると、総理は『何かないかなあ…』と漏らしたのです。アベノミクスにはもう目玉となるような手がない、ということです。

目新しいこと(=経済政策)を並べても、小粒なものばかりなら起死回生の一手にならない。霞が関や与党議員を総動員して、もう一度経済政策を練り直さなければならない。ところが党内でも政権内部でも、その緊張感はまだ醸成されていません」

また、同じ時期に安倍首相と話をした閣僚の一人は言う。

「今回の安保法制への批判、政権への厳しい眼は来年の参院選まで続くと思っておかなければだめだ。ところが総理は、今後は経済一本で行けばいいと軽く考えている節がある。違憲訴訟が起きたり、批判運動も継続しそうだというのに…」

そして、参議院での採決前後の自民党の「気のゆるみ」についてこう苦言を呈する。

「委員会が止まっているときの中継で、岸田(文雄)外相が談笑しているのが映っていた。外では雨の中、市民デモが行われているというのに。採決の参院本会議でも、野党の演説に平気でヤジを飛ばす自民党議員が大勢いた。その上、総理は連休中にゴルフに興じた。いくら健康のためとはいえ、いきなりゴルフはどうなのか…。気を引き締めないと参院選は大変な結果になる」

一報、安保法制をめぐる今国会の最後の攻防で、最後はからだを張った民主党も、実は、戦意が薄れ躊躇した部分もあった。今国会中に法案を成立させたい政府与党の動きを食い止めるためには、野党は審議を止め、委員会実前にピケを張るなど、とにかくありとあらゆる手を使って「時間切れ」にするしかなかったのだが…。

「物理的抵抗を行えば、世論がだんだん批判的なものになり、『野党は反対のために反対をやっている』と厳しい目が向けられるようになる。このため、うち(民主党)の中にもどこまでやるべきか戦術的に迷っていたところがあった」(民主党幹部)

しかし、最終盤でその民主党議員たちの意識を変えたのが、国会の外側で反対運動などを展開してきた市民グループの動きだったという。

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