中国
安保法成立、これから何が起きるか 〜軍人がこの国一番の「エリート」に変わる日
〔PHOTO〕gettyimages

日本が「二分」されていく姿

9月19日の未明、安全保障関連法案が、参議院で可決、成立した。

先週は連日の雨模様で、国会前は中も外も、激しい攻防が続いた。そして中で取材していても、外で取材していても、日本という国が「二分」されていく姿を目の当たりにしたような気がする。

国会内で旧知の自民党国会議員と立ち話をすると、「これでいよいよ日本も『普通の国』になれる」と胸を張った。一方、旧知の民主党議員に聞くと、「戦争法案が成立した日は、日本国憲法が死んだ日だ。来年の参院選で必ずリベンジする」と、凄まじい形相で語った。

国会の外でも同様だった。正門前から皇居の方面にかけては、それこそ夥しい数の反対派の人々が、朝から深夜まで抗議活動を行っていた。

法案の成立が間近に迫った18日夕刻。国会前の通りは、警察の護送車などが厳重な警備を固め、日本とベトナムの国旗がはためいていた(グエン・フー・チョン書記長が来日中)。

いつも5時を知らせる「おててつないで~♪」の可愛らしい童謡も聞こえないほどの熱気、そして殺気だった。「ア・ベ・は・や・め・ろ!!!」の大コールが、何度も繰り返された。

その中心にいたSEALDsの奥田愛基君(明治学院大学生)に、演説の合い間に話を聞くと、次のように述べた。

「いまこの瞬間は、戦争法案阻止に全力を尽くします。そしてもし法案が通っても、僕たちは行動をやめません。法案に賛成した議員たちへの落選運動など、何が一番やれることかを考えながら、行動を続けていきます」

その近くにいた女性の小学校教諭もこう語る。

「いま東京の教育現場では、教諭たちが続々とここまで来て、自分たちが見たことを子供たちに話すということをやっています。子供たちは興味津々で話を聞いてくれます。教師として、子供たちを戦争に駆り出すわけにはいかないのです」

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その他、左翼系のプロっぽい人士から、老人、サラリーマン、OL、学生、主婦に子供まで、普通の市民たちが参集し、身動きが取れない状態だった。この熱気と殺気を見ていると、安倍内閣の支持率は、かつてない勢いで落ちる気がする。

だが、まったく報道されなかったが、17日午後の首相官邸前では、法案に賛成する右系団体の人々も、デモを行っていた。正確に言えば、デモではなく安倍政権への「応援」である。首相官邸に向かって、「安倍首相頑張れ!」などと、シュプレヒコールを上げていたのだ。

彼らの中に偶然、10年くらいお目にかかっていない旧知の人を見つけた。声をかけたら、「いやあ、ようやくここまで来ましたよ」と、法案成立に感慨深げだった。

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