米国利上げ見送りをどう読むか
〜中国の景気がアメリカの金融政策を縛る時代

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利上げがさらに景気の腰を折る

9月17日、米FRB(連邦準備理事会)は、金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、政策金利を0~0.25%で据え置いた。市場の事前予想の中には、雇用の回復などを理由にFRBが利上げに踏み切るとの見方があったが、結果的に実質的なゼロ金利政策を据え置くことになった。

FOMCの決定を受けて、米国の株式市場は下落しドルも下落した。それは、世界経済の先行きに対する懸念を反映している。中国を筆頭に景況感の悪化が懸念される中、米国での利上げ時期が読みにくいことが金融市場を不安定にさせている。

FRBが利上げを見送った最大の理由は、世界経済と物価の先行き見通しが不透明感が強まっているためだ。イエレン議長は、米国外の経済見通しに関する不確実性の増大、そして、低迷する物価情勢に言及し、慎重な景気への認識を示した。

FRBにとって特に重要なファクターは、中国経済の減速懸念を受けた金融市場の不安定さだろう。8月以降、中国株価の大幅な下落や人民元の切り下げによる為替相場の混乱は、急速なリスクオフにつながった。

そのため、FOMCは現時点での利上げは国際金融情勢の不安定化に拍車をかけかねないと判断したとみられる。

引き続き、イエレン議長は年内の利上げの可能性を示している。ただ、中国など新興国の景気は弱含んでいる。

更なる市場の安定や物価の上昇を待つあまり、景気回復のペースが鈍化し、最終的に利上げが景気の腰を折る可能性は高まっていると考えられる。