[自転車競技]
白戸太朗「走って考える復興 ~第3回ツール・ド・東北~」

(写真:今年も石巻に多くのサイクリストが集まった (c)Yahoo! JAPAN)

 仕事がら1年間に、沢山の自転車イベントやトライアスロンでいろいろなところを走るが、唯一走りながら深く考えさせられるイベント「ツール・ド・東北」に参加してきた。

 今年で3回目を迎え、以前と比べれば、かなり復興が進みつつあるエリアもあり、月日を感じさせた。

 だが、まだまだそうと呼ぶには程遠い場所もある。ようやく4年、されど4年を感じさせられた。その中で、変わらないのは地元の方々の温かい歓迎である。今年も多くの参加者が自転車に乗りながら、考えさせられる時間を過ごした。

 人気イベントに成長した今年は3500人の参加者。応募は倍以上あったというから自転車イベントの中では出場すら難しい「プレミアイベント」になりつつある。それは単なる自転車イベントにはないものがあるからだ。被災地の現状を知ること、地元の方々と触れること、そこで感じ考えることができることが理由にあるのは間違いない。

 そしてそれを肌で感じ、見ていくのに、自転車ほど適した乗り物もない。景色を眺めるのには速過ぎず、それでいて移動距離も伸ばせる。カラダで空気感や雰囲気を味わうことができる。そういう意味では、この自転車イベントは、被災地の正しい認識を得ること、復興への応援といった目的には最高に合致したものなのかもしれない。 

(写真:南三陸防災庁舎を眺める参加者 (c)Yahoo! JAPAN)

 今回は、これまでの2回ともに走らせて頂いているので、その変化を見るのが自分のテーマでもあった。「4年を迎えどのくらい復興は進んでいるんだろう」。そんなことを思いながらペダルを踏んでいく。

 整備、整地はかなり進んでいるところが多く、ようやくという感じ。苦しいながらにも、ここから新しい街が作られていくんだという希望の息吹も感じられる。

 しかし、そのまま手付かずという場所も少なくない。人口が少ない地域は、どうしても後手になってしまうのだろう。この地域の復興は容易いことではない。まだまだ先になってしまうことは仕方がないとはいえ、そんな現状があることも我々は知っておかなければならない。