ドイツとEUを動かした"あの写真”にヤラセ疑惑が急浮上! 難民受け入れ「大混乱」の現場から
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生き残ったイラク人の女性が語った「真実」

話がだいぶ違った――。

先週書いた、シリアの3歳の男の子、アイランの溺死体が海岸に流れ着いた写真。9月3日に電光石火の速さで世界中を駆け抜けた悲しい写真だが、あれが「やらせ」だったという疑惑が浮上。ひょっとすると、先週、私は事実とは違う情報を伝えてしまったかもしれない。ごめんなさい。

ただ、あれがやらせ写真だったとしたら、勘違いの代償は大きい。そもそも、あの写真が世論を動かし、ドイツがハンガリーにいるシリア難民を受け入れるという決定をする後押しとなったのだ。そして、やってみたら、難民の波は限りなく押し寄せ、現在、ドイツとEUは大混乱に陥ってしまっている(これについては後述する)。

さて、なぜ、あの写真がやらせだと言われ始めたかというと、同じボートに乗っていて助かったというイラク人の女性が、イギリスのメディアに「真実」を話したからだそうだ。この女性も、同乗していた子供二人を亡くしている。

彼女の話によると、アイランの父親は、自身が実は密入国斡旋業者で、自分でボートを操縦していたそうだ。そして、転覆事故の後、彼が家族の遺体とともに即座にシリアに戻り、そこに留まると言ったのは、家族が眠る地であるからという理由だけではなく、EUやトルコにいると逮捕される恐れがあったからだという。

まあ、そこまでは良い。あり得る話だ。父親がお金をもらう側であろうが、払う側であろうが、可哀想なアイランが何も知らずに溺れ死んでしまったことに変わりはない。やらせ疑惑は、その後だ。