雑誌
動き出した「元少年A」
〜『絶歌』出版から3ヵ月。これ以上、じっとしていられない

元少年Aの公式サイト『存在の耐えられない透明さ』。性器をモチーフにした樹木のイラストや、サソリと自撮りのコラージュなど薄気味悪い「作品」が並ぶ

25万部のベストセラーでは、自己顕示欲を満たせなかったようだ。「普通の人」ではない「僕」が書いた「文学」はもっと多くの人に受け入れられるとでも思ったか。彼はどこに向かっているのか。

ものすごい自己顕示欲

これはマトモな人間ではない—。

そのHP(ホームページ)を見れば、誰もがそんな感想を持つだろう。自称「元少年A」が最近になって開設したHPである。

タイトルは『元少年A公式ホームページ 存在の耐えられない透明さ』。トップページは、自著『絶歌』(太田出版)の猛烈な宣伝で始まる。

〈事件から18年。『冷酷非情なモンスター』の仮面の下に隠された〝少年Aの素顔〟が、この本の中で浮き彫りになっています。

「少年Aについて知りたければ、この一冊を読めば事足りる」

そう言っても差支えないほどの、究極の「少年A本」です。

一人でも多くの方に手に取っていただければ幸いです〉

また、このHPにはメールアドレスも記載され、『絶歌』やHPへの感想も募集している。臨床心理士の矢幡洋氏は、元少年AがHPを開設した意図をこう分析する。

「焦りでしょう。歪んだ形ではありますが、もとより彼には表現意欲があった。当時の犯行声明文にしても、校門に頭部を置く行為にしても、おぞましいことですが、彼にとっては一種の表現行為でした。

また彼自身、自分の表現能力を高く評価している。30代を迎えた今、表現活動をしなければ、自分の感性は鈍っていくばかりだという焦りがあったのだと思います。

『絶歌』だけであれば、続編の声がかかったかもしれません。でも、彼は待てなかった」