雑誌 ドクターZ
中国・人民元が国際通貨になれないワケ
軍事的・経済的にどれだけ「大国」になっても……
〔PHOTO〕gettyimages

中国・人民元が国際通貨になれないワケ

 国際通貨になるための条件

中国が人民元の国際通貨化を意気込んでいる。が、なにかと問題を抱える国である。人民元は国際通貨たり得るのか、そもそも国際通貨になるとはなにを意味するのか。

国際為替市場では、中心に取り扱われる通貨のことをキーカレンシー(基軸通貨)と呼ぶ。どの通貨が基軸通貨になるかは、その国の置かれている環境に依拠する。多くの人が取引に使うのであるから、その国が「大国」でなければいけない。

「大国」とは、軍事的にも経済的にも、である。軍事的大国とは、戦争があっても国がなくならないという意味だ。実際、世界で戦争があるかもしれないと思っただけで、人々はドルなら安全だとして、取引をする。

一方で、経済的大国とは、経済活動が盛んということで、まずはGDPの大きさで測れる。GDPが大きければ、貿易取引も大きくなり、基軸通貨を決済手段として使うことができる。

また、GDPが大きいと、実物経済を支える為替市場、金融資本市場も大規模になっているはずである。そうした金融資本市場が存在することはまた、基軸通貨の条件。そうした金融資本市場があるからこそ、安心して基軸通貨を保有しようとするわけだ。

なお、経済的な大国になるには、自由な貿易取引と自由な資本移動が必要だ。自由な取引が確保されないと、基軸通貨を持つインセンティブはなくなるからだ。

こうした軍事的・経済的な大国の通貨であれば、当然その価値は安定しているので、ますます基軸通貨としての地位は不動のものになる。

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