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役所があえて教えない、申請すれば「もらえるお金・戻ってくるお金」

チャンスはこんなに眠っていた
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相続税まで安くなる

こうした改築や設備の増設の際もさることながら、マイホームという資産を活用することで、数千万円単位のお金を非課税にする方法もあると、前出の横川氏は話す。

「住宅関係では、贈与税の配偶者控除という制度があります。これは大変有利な制度です。『結婚して20年以上の夫婦が、お互いに居住用の不動産を贈与しても、2000万円まで非課税になる』というものですが、贈与税の基礎控除110万円を加えて、その年に2110万円分の贈与が無税でできることになります。

これを活用すると、たとえば自宅を所有している夫が、自分の死後に相続税が発生してしまいそうだという場合に、2110万円分の名義を妻に移すことができます」

 

さらに、この制度を利用して自宅を夫婦の共同名義にした上で、その居住用不動産を売却すると、夫・妻それぞれ3000万円まで、合計でなんと6000万円の売却益が非課税になるという。

「ポイントは、土地だけでなく家屋も共同名義にして、『居住用不動産』という条件をクリアしておくことです」(横川氏)

また、この制度には特有のメリットもある。通常、たとえば夫が病気で余命いくばくもないと分かってから財産を贈与しても、死亡日から逆算して3年以内の贈与は「持ち戻し」と呼ばれ、相続税逃れと判断され、相続財産だったとして課税されてしまう。

ところが、この配偶者控除は持ち戻しの対象にならない。「駆け込みでもOKということになりますね」(横川氏)。

ED治療費も戻ってくる

「医療・介護」では、何と言っても高額療養費制度を忘れてはいけない、と話すのは、経済評論家の荻原博子氏だ。

「医療費が膨らむことに恐怖感を抱いている方は多いのですが、たとえば、一般的な70歳~74歳の方なら、月4万4400円、所得の多い方でも月8万円少々の自己負担ですみ、あとは後々、お金が還ってくるようになっています。

この制度では通常、病院でいったん、高額の治療費を払い、あとでお金が還ってきます。けれども、あらかじめ国保や健保組合で『限度額適用認定証』をもらっておくと、病院でも自己負担限度額までを支払えばいいので多額のお金を用意する必要がなくなります」

同一世帯の中に、高額の医療費がかかった人と高額の介護費がかかった人がいた場合(同じ人でも可)、それらの合算に対して、限度額を超えた分を還付してくれる制度もある。「高額医療・高額介護合算療養費制度」だ。

「市区町村の介護保険窓口で相談、申請するものですが、たとえば国保+介護保険を利用している70~74歳の人がいる一般の世帯の場合、年間56万円以上かかった分は、お金が戻ってきます。この限度額は年金額など収入や、年齢によって変わります」(荻原氏)

また、医療費が年間10万円を超えた場合には、自分で確定申告をすると、所得税の控除が受けられる。1年間の医療費の合計のうち、医療保険などで補された分を除く金額から10万円を引く。この10万円を超えた医療費に、自分の所得税率を掛けた金額が、受けられる控除金額となる。

医療費として計上してよい項目は、診察費や入院費だけでなく、通院時の電車代やバス代、薬局で購入した市販薬の代金、松葉杖や入れ歯の購入費なども含まれる。さらに、元国税庁職員の大村大次郎氏は、こんな意外な項目も医療費控除に含まれると話す。

「ほとんど知られていませんが、ED(勃起障害)はれっきとした病気として扱われ、その治療費は医療費控除の対象になります。同様に禁煙治療にかかった費用も控除の対象です。また、場合によっては栄養ドリンクや按摩、整体なども控除の対象となり、お金が戻ってくることがあります」

一度、自分の医療費を総ざらいして積算し、総額が10万円を超えていないかチェックしてみる価値はある。

埋葬料や子供にかかるお金

もらえる人は意外と多いのに、あまり知られていないものもある。

国保や健康保険組合などの健康保険の被保険者(加入者)が死亡した際に、申請すれば葬儀を行った家族が受け取れる「埋葬料」と、被保険者の家族が亡くなったときに受け取れる「家族埋葬料」。金額は各5万円だ。

さらに、親戚や知人が葬儀を行った際には、「埋葬費」として葬儀代、火葬代などの実費に対し、最大5万円までが支払われる。