世界経済 中国
中国経済がこれまでの成長路線に戻ることはない
「中国ショック」の鎮静化には何が必要か?
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中国当局の政策に大きな問題がある

「中国ショック」が内外株式市場の波乱要因となって久しいが、鎮静化の兆しは一向に見えない。

株式市場では、中国経済の減速を示す経済指標が発表されれば、株価が大きく調整し、中国当局による政策発動期待が高まると、大きく反転する、という状況を繰り返しており、株価の乱高下はおさまる気配がない。

特に、いわゆる中国関連銘柄や商社、鉱業といった資源関連銘柄のボラティリティ(価格変動率)の高さが目立つ。このボラティリティの高さを考えると、「中国経済の減速は株価に織り込まれつつある」という見方は現時点では適切ではないと考える。

中国経済は、賃金上昇によって従来の「薄利多売」型の成長モデルが維持不可能となっており、産業構造の転換を含む「構造調整」の局面に入っていると考えられる(いわゆる「ルイスの転換点」)。これ自体は、1970年代半ばから80年代代前半にかけて、日本経済が歩んできた道でもあり、中長期的にみれば、必ずしも悲観すべき事態ではない。

だが、現在の中国当局の政策には大きな問題点があり、この問題の解決にはもうしばらく時間がかかるのではなかろうか。

8月25日に中国人民銀行(中国の中央銀行にあたる)は、政策金利である銀行の貸出、及び預金の基準金利を0.25%引き下げると同時に、預金準備率を0.5%引き下げた。利下げは約2ヵ月振りだが、昨年11月以降で5回目となる。預金準備率引き下げは4月以来、約4ヵ月振りである。