鬼怒川決壊は他人事ではない! 「記録的」な異常気象に備え、災害に強い都市作りを
〔PHOTO〕gettyimages

茨城県や栃木県が治水を怠っていたわけではない

先週、東日本を襲った記録的豪雨は、鬼怒川と渋井川の堤防を決壊させ、茨城県常総市や宮城県大崎市などで大きな被害をもたらした。天災の怖さを実感させられるとともに、日頃からの備えが大切であることを痛感させられた。

また、避難指示については、発令が早すぎるくらいのほうがよい。ひとたび堤防が決壊すると一気に濁流が押し寄せ、逃げる時間などない。とくに常総市では、多くの住民が救助を待つことになった。もう少し早く避難指示が出ていれば、と悔やまれる。

東京都内では、一部で床上浸水・床下浸水などが発生したが、大規模な被害は出なかった。茨城県、栃木県の被災地には、東京消防庁、稲城市消防本部、警視庁、東京DMATから、支援のために人員や機材が迅速に入った。災害に対しては、全国民が相互に助け合うという絆を今後とも大切にしていきたいと思う。

今回の災害は、50年に一度あるかないかという予想を超える豪雨がもたらしたもので、茨城県や栃木県が治水を怠っていたわけではない。最近は、記録的な猛暑、記録的な集中豪雨、記録的な長雨など、「記録的」と形容されるような異常気象が頻発している。鬼怒川で起こったことは、全国のどの河川でも起こりうると考えてよい。

東京のような大都市は、集中豪雨に弱いと言われているが、都でも対策は着実に進めている。これまでは、時間50ミリの降雨に対応できるように、護岸の整備、調節池や分水路の建設を行ってきた。地下に巨大なプールを作って、河川の水量が増したときに、そこに水を誘導して一時的に貯め、氾濫を防止するシステムが調節池である。50ミリまでは、河道で、それを超える部分を調節池で対応するようにしている。

しかし、最近の降雨特性や浸水被害の発生状況を見ると、それ以上の対策が不可欠なように思える。そこで、平成24年11月に目標整備水準を引き上げ、区部では75ミリ、多摩部では65ミリの降雨に対応できるよう護岸や調節池などの整備を進めることにした。

平成26年度末の整備状況は、まず護岸整備については、計画では324.0kmの予定が、213.3km、つまり66%が整備済みである。調節池は、11河川25箇所がすでに供用開始となっており、貯留量は212万㎥である。実際に私も神田川・環状七号地下調節池を視察し、その巨大さに圧倒されたが、それが集中豪雨から家屋の浸水を防ぐ大きな役割を担っているのである。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら