370万部のベストセラーが、高校生を政治から遠ざける!? ~総務省と文科省がつくる「副教材」がヘンだ
「主権者教育」と言いながら…

主権者教育「副教材」とはどんなものか

選挙権年齢や国民投票年齢が18歳へと引き下げられたことを受け、総務省と文部科学省が高校生向けの副教材を作っている。

今年の芥川賞を受賞した又吉直樹氏の『火花』が200万部を超えるなどが話題になっているが、この副教材は、約13億円をかけ、公立私立を問わず、1年から3年までのすべての高校生を対象に約370万部が11月頃に配られる予定だ。

現状の案では、第一部の「解説編」が約20ページで、公示から開票までの流れ、投票の仕組みや選挙権について、選挙や政策決定過程といった政治の仕組み、年代別投票率や政策等も含めた選挙の意義、憲法改正国民投票の仕組みなどを盛り込む。

第二部の「実践編」は約50ページで、政治参加に関する学習をより参加実践型にするとして、学校の授業でそのまま使用できるよう、実施準備、実施手順・方法、ワークシートを盛り込み、話し合いやディベートの手法、模擬選挙や模擬議会の実施など、学習教材の実例から構成される。

さらに第三部の「資料編」として、公職選挙法など高校生の投票や選挙運動等についての留意点、教育基本法など、学校における政治的中立の確保が約25ページを加え、全三部構成、約100ページの教材となる予定だ。

この副教材、その目的を「学校現場における政治や選挙に関する学習の内容を充実させるため」としているわけだが、この副教材を含めた一連の取り組みが、実は、政治教育の充実ではなく、時計の針を逆に進めてしまう可能性があるのだ。