東京23区はかつて海だった 
「水害リスク」とどう向き合うべきか

【物件選びの知恵021】
google earthより

海抜40メートルの杉並区も安全ではない

「重大な危険が差し迫った異常事態」。

気象庁・弟子丸卓也予報課長は会見で、強い言葉で注意を呼びかけた。

関東・東北地方を中心に記録的な大雨をもたらした台風18号は猛威を振るい、8月30日から加わった「特別警報」が各所に発表された。特別警報とは「数十年に一度の大雨や暴風などが予想される場合」に気象庁が発表するもの。各所で浸水、河川の氾濫や、土砂災害などの被害をもたらした。

栃木県鹿沼市では土砂崩れで1人が行方不明、日光市板橋では土管につまったごみなどを取り除く作業中に流された1人が意識不明。茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊、住宅地に濁流が押し寄せた。

このコラムを書いている10日17:00時点で自衛隊による救助活動はまだ続いているが「人が流されるのを見た」といった複数の通報もある。

さて、こうした事態になると心配されるのが「低地」である。東京の場合「京浜東北線」の西側は海抜10〜30メートル以上、対して東側は5メートル以下、江東区・江戸川区の一部はマイナス2〜3メートルといった地域も多い。

いまからおよそ6000年前は首都圏東部、23区の大半はまだ海であり、現在京浜東北線が通っているところが、江戸時代までの海岸線と考えてよいだろう。低地は主に荒川・江戸川沿いに広がり埼玉県まで続く(上図)。

心配なのはこうした低地だけではない。

例えば海抜が40メートル以上ある杉並区。以前のコラムでお伝えしたとおり( http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44035?page=2 )、こうした内陸部にあっても、台風や集中豪雨などでは、下水道管の容量を超えた雨水が道路から地下室や半地下部分に流入し、浸水する可能性がある。