知っておきたい!
富士山大噴火で予想される被害

火山国で暮らす私たちが知っておきたいこと(4)
〔photo〕gettyimages

もし富士山が噴火したら、その被害は?

このたび刊行される日本火山学会編『Q&A 火山噴火 第二版』から、誰もが気になる疑問をピックアップ、6日連続で本書の一部を特別公開します(第4回)。 【→第3回はこちら


 

富士山の噴火を知る


【Q9】 富士山で起きている低周波地震とはなんですか?

――A 富士山の低周波地震は、観測網が整備された1980年以後、1年間に十数回から数十回程度起きています。

富士山で起こる普通の地震と低周波地震の波状比較

低周波地震とは、活動が活発な火山の周辺で観測される地震(火山性地震)のうち、1秒間の振動数が少ないものをさします。 普通の地震では、1秒間に10回以上もの揺れ(振動)が10秒程度続くのですが、低周波地震では1秒間に1、2回くらいの揺れがだらだら続きます。

しかし、特徴的な周波数(1秒間あたりの振動数)については火山ごとに異なるため、どの範囲の周波数が低周波地震であるとは簡単にはいえません。

火山の低周波地震は、特定の場所に集中して起きることがよくあります。富士山でも、震源は頂上直下、深さ15~20キロメートルほどのところに集中しています。

このように、火山直下の地殻のやや深いところからマントルの最上部にいたるあたりで、低周波地震が発生していることが、1980年代から分かってきました。

噴火の前後に活発化する場合もあるので、地下のマグマの動きと関連して発生していることは間違いないでしょう。

【Q11】 もしも富士山が噴火した場合、どのような災害になるのでしょう?

――A 富士山が噴火した時の災害の様子は、どこで、どのくらいの規模で、どのようなタイプの噴火をするかで変わってきます。

最近2000年間では、山頂ではなく、北西、南東斜面で噴火が起きることが多いようです。

次の噴火も、これらの地点で起きる確率が高いと思われます。噴火の規模については、地下にあるマグマの量が不明であること、また、たとえ多量のマグマが地下に溜まっていても、必ずしもそのすべてが噴出するとは限らないので、はっきりと断言することはできません。

そこで、仮に最悪の災害に備えるなら、これまでに富士山で起きた最大規模の噴火と同等の噴火が起きたらどうなるかを考えるべきでしょう。