いま日本の火山はどうなっているか
〜東日本大震災と火山活動活発化の関係は?

火山国で暮らす私たちが知っておきたいこと(1)
〔photo〕iStock

昨年来、御嶽山、箱根山、口永良部島、浅間山(長野県)など火山活動が活発化したり、噴火に至るケースが相次いでいる。いま、日本の火山はどうなっているのか?

このたび刊行される日本火山学会編『Q&A 火山噴火 第二版』から、誰もが気になる疑問をピックアップ、6日連続で本書の一部を特別公開します。分からないことは不安の種。「知る」ことで不安の芽を摘み取ってください。


 

いま、日本の火山はどうなっているの?

【Q5】2011年の東北地方太平洋沖地震の後に、西之島や御嶽山が噴火しましたが、これらは大地震の影響でしょうか?

A 2011年の東北地方太平洋沖地震は、 Mマグニチユード9という巨大地震で、岩手県沖から千葉県沖におよぶ南北600キロメートル、東西200キロメートルもの大断層が動きました。

このため、東北地方のみならず日本列島全体の地殻に影響があったと考えられます。2011年3月11日直後には、国内の22の火山で地震活動の活発化などの影響が報告されました。

たとえば、吾妻山では噴気活動や地震活動の活発化が観察されましたが、現時点(2015年3月)では、まだ噴火にいたっていません。西之島と御嶽山は、東北地方太平洋沖地震の震源からそれぞれ約1200キロメートル、約500キロメートルと離れているので、直接的な影響はないと思われます。

御嶽山噴火は水蒸気噴火でしたが、東北地方太平洋沖地震によるプレートの変動が何らかの形で間接的に影響している可能性はありますが、残念ながらはっきりとした証拠はありません。

【Q22】一般に、地震の影響で火山活動は活発化するのでしょうか?

A 2011年の「東北地方太平洋沖地震」のようなプレートの境界で起きる地震と、境界からかなり離れた陸地の火山活動との関係を、物理的にはっきりと証明することはできません。

現時点では物理的なメカニズムというよりも「統計的に見て」そのように見えるということです。「統計的に」とは、その背後のプロセスは問題にしません。経験的に物事のつながりを、「なんでそうなるのかよく分からないけれど、そのようになってしまうもの」として見ている、ということです。