フザけるな、年金機構! 「年金払いすぎたので、200万円返して」だと支払いミス1万件で、突然電話が……

2015年09月09日(水) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

upperline

行政訴訟などに詳しい梅本・栗原・上田法律事務所の上田啓子弁護士によると、裁判になれば過払い分を受け取っていた受給者のほうが、やはり立場は弱いという。

「年金機構のミスにより発生した過払いであっても、受給者はその年金をもらう法的根拠がないので、機構側からの返還要請には応じざるを得ません。残念ながら法的には返還を拒否できません」

では、一方の「未払い」、つまり本来もらえるはずの年金がもらえていなかった場合はどうか。急に思いがけない未払い金を受け取れるとなれば、少しは溜飲も下がるかもしれないが、問題となるのは、未払いのあった人が、すでに亡くなっていた場合だ。

「年金は、相続の対象ではありません。一身専属の権利、つまりご本人さまに対して給付させていただくものです。ですから、お亡くなりになった方には支払えません。

ただし、故人と生計を共にされていた配偶者や子供には死去された方への未払い金をお支払いしています。

転勤や病気療養で、故人とは別居されていた方でも、故人から仕送りや援助を受けていたことを示す書類などを提出いただければ、支給させていただきます」(前出・年金機構広報室)

未納が増えるのも当然

自分の年金にミスはないのか。「ねんきん特別便」など各種の資料はあるが、複雑すぎて個人で理解するには限界がある。確認するためには、現状では年金機構の窓口である年金事務所で問い合わせるしかない。

不祥事を繰り返した旧社保庁と決別し、生まれ変わったはずの年金機構。だが、ここにきてハッカーによる年金情報流出など、再びトラブルが相次ぐ。

「手違いがあるのは仕方ないにしても、報道によればミスが増加傾向にある。それが問題だ」(元年金業務監視委員会委員長・郷原信郎弁護士)。

その裏事情を、旧社保庁の年金問題を追及し、「ミスター年金」の異名をとった民主党代表代行の長妻昭元厚労相は、こう明かす。

「厚労省は、旧社保庁で『消えた年金』問題が注目されて以降、エース級の人材を機構に出向させて、年金機構プロパーの人材育成とガバナンスの確立を目指してきました。ところが、安倍政権になってから、年金問題への関心が薄れ、厚労省は優秀な人材を引き上げてしまった。

次ページ 老後の「頼みの綱」を守れ
前へ 1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事