賢者の知恵
2015年09月09日(水) 週刊現代

フザけるな、年金機構!
「年金払いすぎたので、200万円返して」だと

支払いミス1万件で、突然電話が……

週刊現代
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〔photo〕gettyimages

なけなしの給料から長年、掛け金を出し老後のためにと備えてきた。その年金を「すいません、金額、間違ってました」と言われる人が続出している。あなたにも明日、その連絡が来るかもしれない。

自分たちのミスを棚に上げ

失敗や過失も、二度までなら仏さまが許してくれると言うが、不祥事を繰り返すこの組織を、はたして許せる人がいるだろうか。

私たちの生活に直結する年金を取り扱う日本年金機構で、またまた業務の杜撰さが明らかになった。8月24日、朝日新聞が1面トップで報じたところによると、年金機構では発足から5年で、事務処理のミスが1万件を超えたという。

「ミス」と呼べば軽く聞こえるが、事態は深刻だ。同紙の集計によると、このミスによって、年金の「未払い」や「過払い」など、私たちが受け取る年金額に間違いがあったというミスの合計金額は、あわせて約89億円分。

さらには、2014年度だけで、年金額が100万円以上間違っていた事例が、656件もあったというのだ。

職員の中には、「年金制度が複雑で覚えられない」などとミスの責任を制度の煩雑さに転嫁する声もあるようだが、年金機構と同じく、多数の顧客を抱え、複雑な業務をこなしている銀行や郵便貯金の窓口で、「すみません、手続きミスで100万円以上、間違えました」などと、あなたは言われたことがあるだろうか?

さらに異様な事態が、前出の記事に紹介されている。埼玉県在住の70歳の男性。その妻が、昨年11月、自身の年金の金額を確かめようと年金事務所を訪れた。

すると年金機構側に、「これまで支払った年金には、過払いがあった」、「本来は男性が届け出をして、受け取りを止めるべきものだった」と責められた上、過去5年分の過払い金、約197万円の返納を求められた。

男性と妻は、さぞ仰天したことだろう。何の悪気もなく、振り込まれる年金額が正しいものと信じて家計をやりくりしてきたのだ。5年で197万円ということは、月々にならせば3万3000円弱。この年金が、夏場のクーラーにかかる電気代や、高騰する食費などに充てられ、夫婦の生活全般の質を高めていたことは想像に難くない。

ところが、事態は一転。200万円近いカネの返納を求められ、男性は今後10年間、毎年20万円を返していかなければならないのだという。月々に直せば約1万6000円の支払いだ。

毎月、プラス3万3000円だったものが、今度はマイナス1万6000円に。月々の家計のやりくりで考えれば、一気に支出を5万円近くも切り詰めなければいけない。

本当に、自分が手続きを怠ったがために、こんな間違いが起こったのか? 疑問を感じた男性は、機構側に調査を求めた。

その結果、発覚から半年以上経った今年7月になって、年金機構は「本来は機構がチェックできていなければならなかった」と認め、謝罪したという。だがもちろん、謝られても男性の支払いが免除されたわけではない。

なぜ、こんなとんでもないミスを乱発するのか。

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