五輪エンブレム問題を克服して、5年後の東京は、素晴らしい都市に変貌を遂げる!
〔PHOTO〕gettyimages

速やかに新しいロゴを選んでほしい

新国立競技場と同様に、佐野研二郎氏作成の五輪エンブレムの白紙撤回、つまり取り下げが決まった。

ロゴの決定権は東京都ではなく、IOCと組織委員会にあるのだが、9月1日に調整委員会が緊急召集され、その場で今後の方針について説明があった。私も調整委員会のメンバーなので出席し、取り下げに至る過程について組織委員会から説明を受けた。

次々と指摘される「盗用」疑惑によって、佐野氏の信用は失墜してしまった。それと同時にエンブレムのイメージも悪化してしまった。五輪という楽しいお祭りにはふさわしくないし、国民も喜んで使う気分になれないという状況であった。

そこで、ロゴについても、ゼロからの再出発ということに決まったのである。新国立競技場、エンブレムと続けざまにケチがついてしまった。

ポスター、のぼりなどの備品に、都はすでに4,600万円も支出しており、これはもちろん都民の税金である。そこで私は、少しでも無駄づかいしないように、名刺や紙袋などの実用品は、在庫が無くなるまで使うよう指示を出した。勿体ないからである。

ところが、この件について組織委員会と協議したところ、IOCがベルギーの劇場側から著作権に関して提訴されており、その訴訟に影響を与える可能性は排除したほうがよいという見解であった。また、スポンサー企業もエンブレムの使用を順次中止しており、都にも同一歩調をとってほしいという要請があった。

その背景には、イメージが悪化し、ケチのついたものは使わないほうがよいという考えが支配的になっているという事情がある。勿体ないから使おうという思いも理解できるが、穢れたものとはきっぱりと決別しようというわけである。

可能なかぎり国民に情報を公開しながら、速やかに新しいロゴを選んでほしいものである。インターネットで検索すれば類似のものが何点も出てくるような抽象的なものよりも、複雑で具体的で、凡そ日本国以外では存在しえないようなデザインがないものかと考えてしまう。書道の世界で例えるならば、漢字ではなく万葉仮名である。

不愉快で暗い話が続くが、それを克服して、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会を成功させねばならない。そのために私も、都知事として全力をあげている。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら