金融・投資・マーケット
投資家が「逃避」し始めた!
〜中国経済崩壊&米国利上げ、そしてさらなる懸念も浮上

先日開かれたG20サミットでは、「世界経済は期待通りに成長していない」との声明が出された

投資家が「逃避」し始めた

マーケットでは、世界的に株価が軟調に推移し、米国債などの需要が高まり金利は低下している。この中でドルは対円で軟調に推移している。そうした投資家の動きを見ると、彼らが世界経済の先行きに対する懸念を感じ始めているのが分かる。

世界経済の懸念の背景にある最大の要因は、中国経済の成長率の低下だ。そして米国の利上げ観測が、世界経済をより不安定にさせるとの警戒感も高まりつつある。米国の利上げはFOMCの判断を待つしかないが、今後、多くの投資家がリスク回避に向かい、世界の金融市場が不安定化することには注意が必要だ。

いまの市場環境を概括すると、中国経済に対する先行き懸念が株価を下落させ、米国の国債利回りが低下する“質への逃避”につながっている。すでにドル円は一時116円台まで円高が進んでおり、ドル高に対する期待も低下している。

中国に対する懸念だけでなく、米国での利上げ観測も金融市場を不安定にさせる要因の一つだ。フィッシャーFRB副議長らは、中国経済に対する懸念がある中でも利上げは可能との見方を示した。その発言自体、FRBの利上げが景気の先行きを不安定化させるという懸念を高めている。

FRBの利上げを占う重要材料として注目された8月の雇用統計では、失業率が5.1%に低下し、非農業部門の雇用者数は17.3万人となった。雇用者数は予想を下回ったが、前月分が上方修正された。また、平均賃金の水準も予想地を上回った。こうした強弱混合の結果を受けて、FRBも相当、利上げに頭を悩ますことになるだろう。

強弱混合となった雇用統計の発表直後には、株安、金利低下、そして円高が進んだ。おそらく株価の下落は先行きの景気リスクに加え、利上げに対する警戒心に影響されたと思われる。そして金利の低下は、先行きの世界経済の減速懸念を反映している可能性がある。