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消費税は5%に戻すしかない
〜このままでは「失われた20年」に逆戻りする

チャイナ・ショック!世界経済の「明日」を読む (3)
4-6月期の個人消費は、前期比0.8%減だった〔PHOTO〕gettyimages

この2年、株価は上がったが、国民にその恩恵が行きわたっているわけではない。その「主犯」の一つが昨年4月の消費増税であることは、もはや言うまでもない。

もう一喜一憂したくない

「今回の『チャイナ・リスク』で、日本経済は大きなダメージを受ける可能性が高い。その状態を引きずって、'17年4月に消費税を10%にすれば、昨年、増税したときよりも、日本経済は深刻なダメージを受けるでしょう。

'97年の増税の際は、東アジアの経済危機が同時発生して、日本では金融危機が起こりましたが、そのときと同程度のショックになる可能性があります。いまの段階では現実的ではありませんが、本当なら消費税は、5%に戻したほうがいいのです」

上武大学ビジネス情報学部の田中秀臣教授が指摘する通り、日本経済は外的要因で良くなったり悪くなったりする状態が続いている。

確かにこの2年あまりで株価は上がったが、日経平均が一日で1000円も上下するように、不安定極まりない。トヨタやメガバンクを筆頭に、大企業は何社も「過去最高益」を達成しているが、これも円安を受けた「数字のマジック」という側面が大きい。国民一人ひとりに、その恩恵が行きわたっているとは言い難い状況だ。

いつになったら「株価」や「為替」に一喜一憂せず、確かな回復の実感を得られるようになるのか。

その「主犯」の一つが、昨年4月に実行された消費増税であることは、もはや言うまでもない。

「消費税が8%に上がって以来、それまでゆるやかに回復していた個人消費がガクンと落ち込みました。この年の4-6月期の『民間消費』は、前期比の年率換算で19%減という非常に悪い数字でした。その後は、四半期ごとに前期比2%くらいで改善してきましたが、当初の落ち込みがあまりに大きく、伸びは非常に弱い」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員・片岡剛士氏)

金融緩和をして、需要を喚起しようとしながら、一方で増税をして消費を冷え込ませる。安倍総理が選択した「アクセルとブレーキを同時に踏む」という政策は、「アベノミクス」の効果をすっかり相殺してしまっている。

身の回りを見れば、いまは様々なモノや商品の値段が高い。これまでは気軽に入れた、マクドナルド、吉野家といった価格帯の安い店でも、気がつけば、円安と消費増税の影響を受けて値上げが起きている。

以前は「一人勝ち」をしていたユニクロでさえも、今年6月、売上高が、前年同月比で10%以上低下した。

日本国内での新車の販売台数は、今年7月には約42・5万台だったが、これは'14年から3・5万台減、'13年からは4・7万台も減っている。

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