世界同時株安は一服、しかし"チャイナリスク”が消えたわけではない!
今後考えられる最悪のシナリオは?
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中国政府のコントロールの限界を露呈

中国政府が矢継ぎ早に対応策を打ったこともあり、とりあえず世界同時株安は一服したようだ。

ただ、中国経済が抱える問題が片付いたわけではない。“チャイナリスク”は残ったままだ。今後、数年というスパンで見ると、中国の経済や政治体制などの問題点が表面化する可能性は高い。それは、世界経済にとって無視できないリスク要因だ。

今回の金融市場の混乱の中で一つ明確になったことがある。それは、中国政府の慌てぶりだった。なりふり構わぬ強引な株価押し上げ策や、突然の為替レートの実質的な切り下げなどは、明らかに中国政策当局のコントロールの限界を露呈していた。

今まで中国政府は、何事も力づくで抑え込むことができると見られてきた。しかし、足元の景気減速や株式市場の混乱は、中国政府の力が及ばない分野があることを明確に示す結果になった。

今後、何かのきっかけで中国の問題が顕在化した場合、今回の世界同時株安を上回る混乱が発生することも想定される。

中国が抱える経済構造の問題点

元々、中国経済では、輸出と設備投資が経済を牽引するエンジン役を担ってきた。

ところがリーマンショック後、世界経済が大きく落ち込んだこともあり、輸出の伸び率が鈍化した。それに対して当時の胡錦濤政権は、4兆元(現在の邦貨換算約80兆円)に上る大規模な景気対策を打ち、景気を浮揚させた。

しかし、その景気対策は、結果的に国内の過剰供給能力を一段と拡大することになり、足元の中国経済は大きな過剰供給能力を持つことになった。その供給能力に需要が追い付かない状況が続いている。

そうした中国経済の体質を変えるためには、個人消費を拡大させて、輸出・設備投資依存型の構造をモデルチェンジすることが必要だ。

そのためには中間層を育成することが重要になる。しかし、現在の中国で、中間層を育成することは容易なことではない。

共産党一党独裁体制の下で、一部の政府関連機関や国有企業などが経済活動の中心を担っている状況を見ると、経済活動全般の効率化を遅れており、生み出した経済的な富を公平に分配する仕組みが機能していない。