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入居してからでは遅い!
経営が危ない「老人ホーム」の見分け方

「要介護600万人」時代の大問題【後編】
〔PHOTO〕gettyimages

【前編】はこちら

老人ホームの倒産が増え、私たちの老後の不安が膨らんでいるのは前編で見てきたとおり。それでは、経営が危ない施設、サービスが充分ではない施設をどう見分ければいいのか。「ここを見れば分かる」というポイントを見ていこう。

運営母体はどこか

介護・福祉系法律事務所「おかげさま」代表で、ホームヘルパー2級の資格も持つ弁護士の外岡潤氏が語る。

「まずチェックしたいのは、介護施設のパンフレットや、ホームページに掲載されている『経営者の理念』です。

たとえば、『たくさんの幸せを集める』といったフワフワしたキャッチコピーを並べているところは、介護の現実が分かっていない。逆に『要介護度5でも受け入れる』など具体的だが非現実的な目標を掲げている事業者も、課題にぶち当たったときに対応できない。経営者が施設の運営に失敗したり、事業を切り捨てやすいと言えます」

とくに気をつけたいのが、施設を運営している母体がどこかということだ。もともと介護を本業としていない企業は経営に行き詰まったり、サービスが行き届かなかったりすることが多い。

実際に、帝国データバンクが今年3月に発表した資料によれば、'05年から'14年の間に休廃業・解散した老人福祉事業者の、およそ4割が株式会社で、もっとも大きな割合を占めている。

それに対して、医療法人・医療法人社団は0・9%とごく僅か。他にも、社団法人・一般社団法人で1・9%、財団法人が2・1%、社会福祉法人で2・6%ほどだ。外岡氏が解説する。

「建設会社や葬儀会社、飲食店など、さまざまな業界の企業が介護分野に進出しています。そのような新規の企業は介護が分かっていない素人集団で、経営も危ない。

一方、たとえば老舗で何店舗も運営する法人であっても、利用者が日中通うだけのデイサービスを行っていたところが、新たにはじめた有料老人ホームなどはうまくいかないケースもあります」