世界経済 中国
"中国がクシャミをすれば世界がカゼを引く"ことが証明された激動の1週間を振り返る
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追い詰められた国務院は「奥の手」を発布

先週も、大荒れの中国株に振り回された1週間だった。

中国株は8月18日に6.1%も暴落し、中国は再び大打撃を受けた。そこで8月23日の日曜日、国務院(中央官庁)は、株価上昇のための「奥の手」とも言える手段に出た。「基本養老保険基金投資管理弁法」を正式に発布したのである。

これは、いわば「中国版GPIFの株式投資」だ。養老保険とは、年金のことである。

そもそもは、6月後半の株価大暴落を受けて、6月29日に国務院の人力資源社会保障部と財政部が、「基本養老保険基金投資管理弁法に対する意見を各界から聴取する」と発表したのが始まりである。おそらく中国国務院は、日本のアベノミクスを研究する中で、「中国版GPIFの株式投資」を思いついたのだろう。

通常は、こうした新制度の「意見聴取」を発表してから正式発布するまでには、半年くらい時間がかかる。それをわずか2ヵ月足らずで正式発布したということは、いよいよ追い詰められ、背に腹は変えられないと決断したのだろう。

8月28日には、人力資源社会保障部の遊钧副大臣と財政部の余蔚平副大臣が、揃って記者会見に出席し、具体的な説明を行った。

確かに中国の証券市場はこれまで、2億人とも言われる「股民」(個人株主)が、全体の約82%を占めてきた。これは日本の約27%と較べても、個人株主の比率が極端に高い。そのため、いったん株価が下がり始めると、まるで底が抜けたように誰もが「売り」に走り、暴落に拍車をかけるという現象が起こってきた。

それを今後は世界の資本主義国と同様に、「中国版GPIF」という強力な機関投資家を市場に投入することによって、高値安定した証券市場を形成しようという狙いだ。