なぜ日本北端の町の地価が、下げ止まったのか?
~「下川モデル」が過疎化解消のモデルとなる!

【物件選びの知恵019】

平均年2%の下落

9月に公表される予定の「都道府県地価調査」は、おおむね今年3月に公表された「地価公示」と同様の結果となろう。同様の結果とは「都心部・都市部は、アベノミクスによる低金利や量的緩和策や日銀のREIT買い入れによる資金流入、円安による海外マネー流入、増税対策による相続マネー流入などから上昇。

一方で、全国平均では相変わらず下落基調。わけても多くの地方では大幅下落」といった具合で、地域による地価のコントラストが鮮明に浮かび上がることになろう。

「ギリシャの政局不透明感」や「米の利上げ観測」に加え「中国株暴落」で株式市場は大混乱。とりわけ「中国バブルはいつ崩壊するのか」と、2011年なかばあたりからささやかれていたため「ついにその日が来たのか?」と動揺が広がっている。

「円安・株高」が基本モデルのアベノミクスにとっては大きな痛手であることに間違いなく、今後の成り行き次第では、調子が良かった都心・都市部の不動産にも一定の影響をもたらすものと考えられるが、基準地価は7月1日時点の地価を表すものであるため、このことは織り込まれない。

不動産市場に流入するマネーは「一極集中」。日銀が買い入れる年間900億円のREIT(不動産投資信託)の物件所在地は東京都心部が中心となる。「アジアヘッドクオーター特区」「国家戦略特区」をはじめ、渋谷駅周辺や新宿などで行われる複数の大開発、リニア開業に伴う品川・田町間の新駅など、一部にヒト・モノ・カネが集中し、大多数の郊外や地方が衰退の一途をたどるのは既定路線だ。

バブル崩壊後25年間、日本の住宅地地価は、平均すれば年2パーセントのペースで下落してきた。今後はどうなるだろうか?

清水千弘氏(ブリティッシュコロンビア大)らの共同研究によれば、日本の住宅価格は今後30年間でやはり毎年2パーセント弱の速度で減少していくとしている。年2パーセントの下落とは、20年で地価がおよそ半値になることを意味する。

こうしたなか、北海道札幌から北に240キロ、人口わずか3,700人の北海道下川町の地価は、前回地価公示において、周辺の自治体が前年比マイナス5-8パーセントと軒並み大幅な下落をみせる中で、下げ止まりを見せている。現地では既に価格上昇の兆しも見られるという。

ピークの1960年代には農林業や工業で栄え15,500人いた人口は3,000人代にまで減少。面積644.2Km2はちょうど東京23区と同程度の大きさだが、約90パーセントが森林に覆われ、人口減少、小子化・高齢化が例外なく進行し65歳以上人口割合が35パーセントといった下川町の地価が下げ止まったのには、理由がある。それは「森林資源を最大限活用した町おこし」だ。