ドイツ
徹底取材「再生エネルギー」が独り立ちする日は来るのか?
〜ヨーロッパ最大のメガソーラーの実情と課題

ノイハーデンベルクの街並み(Airportpark Berlin-Neuhardenbergより)

滑走路の周りの土地を利用してメガソーラーを建設

8月18日、北ドイツのブランデンブルク州の、ノイハーデンベルクというところへ行ってきた。ベルリンから東に55キロ。統一前は東ドイツだった地域だ。ほとんど使われていない大きな空港がある。

東西ドイツの統一は1990年。それからすでに25年が過ぎようとしているが、東西の格差はまだ消えない。元東ドイツだった地域は、人口、特に若年人口が減り、経済が今もなお滞っている。

ここノイハーデンベルクも、90年の統一当時は4555人だった人口が、2013年には2470人になっている。車で入っていくと、メインと思われる通りにも人影はまばらだ。飛行場はあっても、飛行機が発着している気配はない。

ノイハーデンベルク空港は、ヒトラーの命により、秘密の飛行基地として建設された。1945年4月、ソ連軍が侵攻し、ベルリン攻略のための最前線の飛行場として使用したが、戦後、ドイツ側に返還された。1949年、この町はマルクスヴァルデと改名される。直訳するなら、"マルクスの森"という意味だ。

東ドイツ政府は空港を拡張し、空軍駐屯地として使用した。1959年には、政府要人専用の飛行中隊が配置され、軍と秘密警察が24時間体制で厳重に警備した。統一までの30年間、この空港は、軍事的に重要な意味を持っていたようだ。

そして統一。東ドイツは消滅。村の名は、"マルクスの森"から、ふたたび昔のノイハーデンベルクに戻る。空港は当初、ドイツ軍が輸送機の基地として使った。

1994年、空港は民営化されたが、それからが大変だった。空港として特別許可が下りたものの、採算が取れるほどの利用はなく、すぐに閑古鳥が鳴いた。

2000年に入ってからは、村おこしのようにして、格安航空会社を誘致しようとしたが、州政府が横槍を入れた。折しも、ベルリン南部のシェーネフェルト空港が整備中で、競合を嫌ったのである。2007年、空港の所有会社は倒産し、空港はデンマークの投資家の手に渡った。村はふたたび忘却の彼方におしやられるかと思われた……。

ところがその後、大きな転機が訪れる。滑走路の周りの土地を利用して、メガソーラーを建設しようということになったのだ。

村は一気に活気づいた。ドイツでは再生エネルギー法により、再エネ電気は、全量が、20年間、固定価格で買い取られることになっているので、一度投資すれば、20年間の売り上げが保証される。直ちに4社が参入した。

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