2020年、パラリンピックがオリンピックの記録を超える!?ーー義足エンジニア・遠藤謙が見据える未来

遠藤謙さん(撮影:大月信彦)

テクノロジーにより、障害を持つ人たちの可能性が大きく拓かれるようになってきている。オリンピックと同じ年、同じ場所で開催されるパラリンピック。義足や義手を付けてこれに出場する選手たちの記録は年々向上しており、健常者の記録に追いつきそうな勢いだという。

義足を付けていることで、健常者よりも高いパフォーマンスを発揮することができる。そうなると、義足というものへの認識は変化してくるのではないだろうか。

途上国の人々とともに義足の開発に取り組み、義足開発によって得られたデータをリハビリやスポーツに応用しようとしている遠藤謙氏。MITメディア・ラボを卒業し、現在はソニーコンピュータサイエンス研究所に所属しながら、Xiborg(サイボーグ)という会社を経営している。

「技術によって障がい者や健常者といった境目をなくすことができる」

新宿360°大学で遠藤氏が語った義足の可能性を紹介する。

義足の開発への導いた恩師の言葉

私は現在、義足の研究や開発に取り組んでいます。いまは、身体のどこか一部に欠陥があると障がい者だと見られてしまいます。しかし、もし義足を付けた人が健常者よりも早く走ることができたらどうでしょう。障害者が“ヒーロー”になるかもしれません。

私がそんなことを考えるようになったきっかけに、あるロッククライマーの存在があります。

「世の中に障害者はいない。ただ、技術のほうに障害がある」

この言葉を放ったヒュー・ハーという登山家は山で事故に遭い両足を失いました。それでも自分の足で壁を登りたいと考えた彼は、自ら義肢を開発し、再び登山に挑戦します。その姿に感銘を受けた私は、彼の元で研究をしたいと強く思いました。

そこで私は、2ヵ月間かけて彼が在籍するMITのメディアラボを受験。無事に合格し、彼の元で研究を重ねました。卒業後の2012年、日本に帰国し、ソニーコンピュータサイエンス研究所に所属しながら、Xiborgという会社を経営しています。