読書人の雑誌『本』
脳を活性化し、やわらかくする
〜傑作パズルの世界

〔PHOTO〕iStock

「脳軟化」?のすすめ

文/馬場雄二(ヴィジュアルデザイナー)

パズルの効用

人生は、楽しく過ごしたいものです。

夜空を見上げながら、快い音楽に包まれるのもよいでしょう。

寝そべりながらテレビをのんびり見ているのも気持ちよく、楽しい過ごし方にはちがいありません。決して時間の無駄な過ごし方とは言いませんし、そうとも思いません。

しかし、受け身ではなく、積極的に時間を活用し、挑戦する楽しみ方も常に併せて意識していたいものです。

積極的な行動というと、すぐに旅行やスポーツなどを連想しますが、それには体力や費用、加えてまとまった時間を要する場合が多く、限られた人と場面にしか適用できません。

同じ体の一部でも、「頭」を使いましょう。お金も広い場所も要りません。しかも、楽しみながらビックリしたりドキドキしたりして脳が活性化できるものがあります。それが良質のパズルです。

私は、全国紙に約20年間パズルを連載してきました。その中の朝日新聞日曜版beの「馬場雄二のデザインQ」は、毎週読者からたくさんのご意見や感想をいただき、制作の貴重な参考になりました。

東北芸術工科大学デザイン工学部で行っていたゼミ「視覚の不思議」では、私の創作作品を紹介するだけでなく、学生が古今東西の不思議な視覚現象を収集してきて、パズルにアレンジして発表していました。毎回、パズル大会のように盛り上がったものです。

この両者をベースに新作を加えて完成したのが、先ごろ出版した『直感を裏切るデザイン・パズル』(講談社ブルーバックス)です。