賢者の知恵
2015年08月29日(土) 週刊現代

今すぐ「首」を揉むのをやめなさい!
〜その「ひと揉み」が実は万病のもと

認知症・脳梗塞・うつ病・クモ膜下出血……

週刊現代
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肩と同様に、こり固まっているとつい揉んでしまう首。だが、その「ひと揉み」が体調不良はおろか、重大な病気を引き起こす可能性があるとしたら—知っておきたい「首の新常識」を紹介する。

約30種の不調に関係する

「ちょっと首がこったな、頭が重いな、という時、あまり意識することなく自分の手で首を揉むのは誰でもやることでしょう。しかし、それは今すぐやめたほうがいい。なぜなら首を強く揉むという行為は、身体にとって百害あって一利なしであるばかりか、病気の原因にまでなるからです」

こう警告するのは、医学博士で東京脳神経センター理事長の松井孝嘉医師だ。

松井医師が書いた『首は絶対にもんではいけない!』(講談社刊)が、大きな話題を呼んでいる。

脳神経外科医として、30年以上にわたり首の研究を続けてきた第一人者が、私たちが日常的にやっている「首揉み」がいかに危険なのかを、同書で明かしているのだ。

「自分で揉むのを避けるのはもちろん、マッサージ器も首には使わないほうが無難です。ましてや、床屋や整体でマッサージを受けるときも、首のまわりはきっぱりと断ったほうがいい」

ここまで徹底して首を揉むことを避けなければいけないのは、なぜだろうか。理由を松井医師が解説する。

「首は身体全体の調子を左右する『自律神経』と密接に関係しているのです。外から力を加えられただけで全身に大きな影響を与えかねない、皆さんが思っているよりも、はるかに重要でデリケートな部位なのです」

自律神経は、主に昼間の活動的なときに働く交感神経と、就寝時などリラックスしているときに優位に働く副交感神経の2つの神経によってなりたっている。この2つが「バランス」をとりあうことで、脈拍や血圧、呼吸、消化、体温の調整など、生命を維持するのに必要なあらゆる機能を調節している。

松井医師の独自の研究によれば、この自律神経のバランスを整える部位が、首の後ろから頭の付け根あたりに存在しているのだという。

「私はこの部分を『副交感神経センター』と名付けました。この周囲の首の筋肉はか細く、とてもこりやすいので、揉めばほぐせるという考えで、安易に揉んだり、マッサージをしてもらったりしがちです。しかし、それは大きな間違いで、異常を起こした筋肉に新たな外傷を与えることになるのです。

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