[アイランドリーグ]
高知・弘田澄男監督「藤川球児から学ぶこと」

球威よりも総合力で無失点投球

 後期はここまで4勝9敗。投打とも一言で言えば、戦力不足です。投手陣では平良成が肩の故障で離脱し、連戦を乗り切るだけの枚数が足りません。打線も前期の中軸を担った台湾人野手2人が退団し、その穴を埋めるバッターがいません。

 そんな中でも藤川球児が後期も引き続きプレーすることになり、週1回、先発で投げてくれるのは助かっています。本人の希望もあり、今後も先発で起用予定です。

 おそらく藤川自身としては来年以降につながるよう、早く実戦での感覚を取り戻したいのでしょう。長いイニングを投げることで自信をつけたいのだと思います。また手術をしたヒジの回復具合をチェックする意味合いもあるのかもしれません。

 いずれにしても高知に来た当初と比較すると、ボールは良くなっています。阪神時代のようにストレートでバッタバッタと三振をとるスタイルではないものの、スライダー、フォークボール、カーブを交え、ピッチングの巧さが際立っていますね。

 後期最初の登板は先頭打者への危険球退場と想定外の結果でしたが、翌日は5イニングを投げて12奪三振。21日の愛媛戦も5回3安打無失点と要所を締めました。NPBの編成には従来のリリーフではなく、先発での復活の可能性もアピールできているのではないでしょうか。

 藤川が点をやらないピッチングができているのは、単にボールがずば抜けているからではありません。現状、ストレートの球速自体は平均145キロ。豪速球よりも、総合力でバッターを牛耳っています。

 彼が相手を抑えられるのは、試合前に我々やキャッチャーからバッターの特徴を聞き出し、きちんと頭に入れてマウンドに上がっているからです。アイランドリーグ相手であっても、試合前の準備や探求心からして、高知の若いピッチャーとは大きく違います。