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勝手に海をどんどん埋め立てる
〜止まらない中国の「オレ様スタイル」

東アジアの「トホホ」な国々(1)中国編
〔PHOTO〕gettyimages

8月15日に戦後70周年を迎えた。だが東アジアのいがみ合いは、収まるどころか、激しさをます一方だ。中国、韓国、日本は、それぞれどこに問題があるのか。わかり合える日は、本当にやって来るのだろうか。

周辺国に突きつけた「踏み絵」

9月3日、習近平主席が「今年最大のビッグイベント」と心待ちにする催しが、北京で挙行される。中国軍の威力を内外に鼓舞する「中国人民抗日戦争勝利70周年記念軍事パレード」である。人民解放軍が誇る最新鋭の戦車部隊やロケット砲などが、北京最大の目抜き通り「長安街」を行進し、天安門広場を横切る予定だ。

北京の日本大使館関係者が解説する。

「日本が降伏文書に調印したのが、1945年9月2日で、その翌日に旧ソ連が勝利の軍事パレードを開いた。国家指導者になってからそのことを知った習近平主席は、自分も同じことをしてみたくなったのです。

それで昨年になって、わざわざ9月3日を、抗日戦争勝利記念日と定めた。ただ中国共産党は、日本軍どころか同じ中国の国民党軍からも逃げ回っていたので、共産党が日本に勝利したと宣伝したら、さすがに世界の笑い物になる。それで『中国人民の勝利記念日』と定めたわけです」

習近平主席は今年に入って、世界中の国々に、9月3日の軍事パレードの「招待状」を出し始めた。だが、欧米各国はこぞって不参加。すぐに参加を表明したのは、「盟友」のプーチン大統領や、援助ほしさのアフリカなどの小国くらいだった。

アジアの周辺諸国も、困惑気味だ。中国と国境を接する某国の外務大臣が、複雑な心情を吐露する。

「中国の抗日戦争勝利を祝うと言っても、わが国は日本とだって、非常に友好的な関係を築いている。こんな物騒なイベントにわが国の大統領が赴けば、当然ながら日本は不愉快に思うに違いない。

だが『欠席』と中国に伝えれば、今度はあの執念深い習近平主席の恨みを買うことになる。他の周辺国に聞いても、どの国も頭を抱えているようだ」

4月22日、インドネシアのジャカルタで開かれた日中首脳会談で、習近平主席は何と、安倍晋三首相に対しても直接、軍事パレードへの参加を呼びかけた。この時、同行していた日本外務省の関係者が述懐する。

「なぜ抗日戦勝利のパレードに日本国首相が行かねばならないのか、われわれは唖然としました。それで首脳会談後に、中国外交部の担当者にクレームをつけたのですが、『習主席の行動を止められるわけないだろう』と、逆ギレされました。

そもそも中国は、1989年に天安門広場で1000人以上もの若者を虐殺した天安門事件の総括すらしていません。そんな独裁国家が天安門広場で行う軍事パレードに、民主国家の指導者が行くこと自体、人類の普遍的価値である自由や民主への冒涜というものでしょう」

それでも日本政府は、中国のメンツを慮って、「招待状は現時点で届いていない」(7月13日の菅義偉官房長官の会見)などと答弁し、やんわりとかわしてきた。

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