軽率なワイドショーに物申す。ネガティブな中韓報道を売り物にするな!
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過剰な報道によって高まる近隣諸国への悪感情

近隣諸国への侵略も含めた大戦が終わってから70年。それからは隣国との友好に向けて新たな歴史が始まった。安倍晋三首相は戦後70年談話で、「隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました」と言っている。

ところが、日本人の近隣諸国に対する悪感情は高まるばかり。昨年秋、内閣府が行った外交に関する世論調査によると、中国と韓国に対して親しみを感じないと回答した人の割合は1978年の調査開始以来、最高だった。領土問題を中心とする複雑な政治問題が背景にあるのは間違いないが、民放の一部ワイドショー、ニュース番組の報道も悪感情をいたずらに煽っている気がしてならない。

この調査で中国に対し、親しみを感じないと答えた人は計83.1%。同じく韓国は計66.4%。中韓両国と同じく北方領土問題等が長らく解決していないロシアは計76.4%。中韓両国との経済交流、人的交流の実情を鑑みると、釣り合わない気がする。ちなみに沖縄基地問題やTPP問題等があるアメリカは計15.3%に過ぎない。

この結果が中韓両国に関するネガティブな報道と無関係とは思えない。13日に起きた中国・天津での大規模爆発を報じるのは分かる。しかし、映像が面白いからといってコソ泥の類の犯罪まで報じるのは、はたして国内報道とのバランスが採れているのだろうか?

日本の問題を棚に上げるな!

中国のパクリ体質を嘲笑するのが大好きな日本も、残念ながら小保方晴子博士を育み、佐野研二郎氏の問題も収まっていない。

途中で開発がストップしてしまい、廃墟と化した中国の商業ビル、大型マンションなどの映像は幾度となく流されるが、やはりゴーストタウン化しているバブル期に開発された日本の高級住宅街の現状はまず取り上げられない。

中韓両国の貧富の差の報道には熱心だが、日本の経済格差や貧困問題にはほぼノータッチだ。

中韓両国の工場や公共輸送機関やエレベーターなどが事故やトラブルを起こせば、集中砲火のように報道を繰り返す。安全管理や技術に問題があろうものなら、なおさらだ。

だが、日本でも同じような事故・トラブルは最近まで何度も起きている。手抜き工事、杜撰な安全管理の問題も程度の差こそあれ共通する。何も中韓両国のお家芸ではない。事実、東洋ゴムによる免震偽装問題はまだ決着が付いていない。タカタ製エアバッグのリコール問題も世界規模で広がってしまった。

東洋ゴム、タカタの問題追及と中韓両国における問題の報道が、釣り合いが採れているとは到底思いづらい。なにしろ、ワイドショーでは両社の問題がほとんど取り上げられないのだから。東芝の不適切会計問題も同じだ。