2020年東京五輪は「通過点」にすぎない
〜未来にプラスのレガシーを残すために

【舛添都知事日記】
〔PHOTO〕gettyimages

文科省・JSCの失敗を繰り返してはならない

8月14日、首相官邸で開かれた「新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議」(第三回)に出席した。安倍総理も出席したこの会議で、「再検討に当たっての基本的考え方」が取りまとめられた。

8項目からなる方針には、私が主張してきた「アスリート・ファースト」という基本が取り入れられている(第1項目)。情報公開については、第4項目で、「計画の決定及び進捗のプロセスを透明化する」と明記されたが、このことが確実に実行されないと、また同じ失敗を繰り返すことになろう。

さらにコスト抑制についても言及されている(第2項目)が、「安かろう悪かろう」では困る。また、完成時期を2020年春としている(第3項目)が、プレイベントやリハーサルに万全を期すために、2020年1月までに竣工していることが望ましい。責任体制については、内閣全体で責任を持ち、関係閣僚会議がJSC(日本スポーツ振興センター)を監督し、専門家による審査体制を構築するとなっている(第7項目)が、文科省・JSCの失敗を繰り返してはならない。

都知事としては、大会までに絶対間に合わせること、必要な機能は備えること、バリアーフリーを怠らないことなどを要望しておいた。

その上で、大会後に民間事業へ移行させる(第8項目)とされていることについては、若干の懸念を表明しておいた。

まず、納税者の立場からは、PFI(Private Finance Initiative)などの手法をとるにせよ、民間事業者の利益だけになるようでは納得できない。民間事業者から見れば、黒字の見通しも立たないままで、手を挙げることはありえない。国民がスポーツを楽しむための殿堂とするのであれば、法外な使用料金などもってのほかであろう。この点は、今後さらに検討を重ねる必要がある。2020年はあくまでも通過点であり、プラスのレガシーを残さなければならない。

8月末までには、具体的な整備計画が策定されるというが、工期的に見ても、今回は失敗が許されない。東京都としても、今後とも政府と情報を共有しながら、新国立競技場整備に協力していきたい。

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