世界経済
中国経済の減速が一段と鮮明化! 「人民元切り下げ」が世界経済に与える影響を甘く見てはいけない
【PHOTO】gettyimages

窮地に追い込まれた中国政府

8月11日、中国人民銀行は突然人民元を2%近く切り下げた。人民銀行の幹部は、これを「人民元改革の一環」と説明している。しかし、市場参加者の多くは中国の狙いは景気刺激にあると考えている。

ここへ来て、中国経済の減速は一段と鮮明化している。7月の輸出は、前年同月比マイナス8.3%と大幅に落ち込んだ。中国政府は、輸出支援として人民元の実質的な切り下げをせざるを得なかったのだろう。

今回の切り下げをきっかけに、アジア諸国の自国通貨切り下げ競争は一段と激化すると見る。中国経済の動きが、世界経済の重要なリスクファクターになっている。そのリスクを過小評価すべきではない。

人民銀行は今回の措置を、IMFの勧告に沿った改革と説明している。しかし、その説明を鵜呑みにする専門家は少ないだろう。自国通貨を切り下げて景気を支えることが必要なほど、中国政府は追い込まれたということだ。

輸出や物価には改善の兆しが見られず、景況感は悪化している。8月8日に発表された7月の輸出は前年比8.3%減となった。9日に発表された7月の生産者物価指数は前年比マイナス5.4%となり、3年5か月続けて前年同期比を下回った。

輸出や物価などのデータは、中国が国内外の需要の弱さ、国内の過剰な生産設備の蓄積という問題を浮き彫りにしている。中国政府は、人民元を切り下げ、輸出関連セクターを実質的に支援することを選択した。

現行の為替制度では、人民元レートは人民銀行が提示する基準値から±2%に抑えられている。人民銀行は市場実勢に合わせる名目で、基準値を引き下げて実質的な切り下げを行った。

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