新白河原人25 丸太小屋をつくる
〜総括

【特別公開】守村大『新白河原人 遊んで暮らす究極DIY生活』

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丸太小屋をつくる 総括
 

やっちまった。やりやがった。出来た。やり遂げた。間違いなく混乱しているが、小さな小屋といえども家屋を一つ建ち上げた事実に満足し、充実し、自信と確信を溢れさせ、つけあがり、ルンルンと飛び跳ねて踊り、喜悦を抑えきれずにニタニタと笑っている。今なら阿呆と言われても笑ってやるぜ。

ぶっちゃけ、仕事だのなんだのにくたびれ果てて、衝動的に、発作のごとく、この山に越してきた。逃げてきたと言い換えてもかまわない。高邁高尚な思想・理想・哲学・主義主張など微塵も無い。あろうことか、山で暮らせる自信すらも無い。

いささか、後付けの向きもあるが、自力で丸太小屋一つ作れるだけの自分がいれば、何とか、たくましくやってけんじゃねーのという保証のようなものを自身に与えたかったのかも知れぬ。そして完成した今、それは行動の果実として確固と結実している。

オレ、やってける、この山で。えへん。

見渡すと、開口部をぶち抜いた丸太の短材が小屋の周りにゴロゴロしている。もったいないので、この材で囲炉裏と丸太のテーブルを作ることにした。もはや私にとって、そんなもなあ何てこたあねえ。ちゃっちゃと仕上げてしまう。

あれ? 丸太のテーブルを組み上げて、私はとんでもない事実に愕然として固まり、呆然と立ち尽くす。

なんてこった。なんと、小さな丸太のテーブルを組むことに、丸太小屋の壁組みの手練・技術の基本と核心が鮮やかに納まり、際立っているではないか。

つまり、「オレもたいしたものよ」とつけあがり胸を張ってみたものの、私が手に入れた力は丸太テーブル一つ作れるだけのスキルに他ならぬということじゃ。要するに、結論として、丸太テーブル一つ作る力と、あとは根性さえあれば、丸太小屋は誰にでも作れるのでした。なあんだ。

山に入植当時、体重80kg・体脂肪率30%だった私の体躯は、丸太小屋完成時には、体重58kg ・体脂肪率15%になっていた事実を付記して、この主題をしめる。

*こうして丸太小屋はできた。しかし自給自足に必要なものは家だけではない。食料は?カマドは?そしてサウナは? どんどん進化する新白河原人の続きは本書でお楽しみください!

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守村 大(もりむら・しん)
1958年生まれの漫画家。モーニング(講談社)にて連載された『万歳ハイウェイ』『あいしてる』『考える犬』など、代表作多数。現在東北新幹線・新白河駅から車で10分の里山で開墾生活をしながら、モーニングにて『新白河原人』の漫画版『ウーパ』を連載中。

守村大・著
『新白河原人 遊んで暮らす究極DIY生活』

講談社 定価:1,500円(税別)

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